九州誠道会

九州誠道会：激動の歴史を辿る

九州誠道会は、福岡県大牟田市に本拠を置いていた暴力団組織です。最盛期には東京都を含む1都5県に勢力を拡大していましたが、2013年6月に解散届を提出しました。

設立の背景

九州誠道会の設立は、道仁会内部の対立がきっかけでした。2006年、道仁会二代目会長の引退に伴う後継者人事を巡り、組織内に亀裂が発生。傘下組織であった村上一家が道仁会を離脱し、複数の組織とともに新たな団体を結成しました。これが九州誠道会の始まりです。

道仁会との抗争

九州誠道会は設立直後から、かつての上部団体であった道仁会との間で激しい抗争を繰り広げました。2007年には、道仁会幹部が射殺される事件が発生し、抗争は激化の一途を辿ります。佐賀県武雄市では、無関係の市民が誠道会関係者と間違われ射殺されるという痛ましい事件も発生しました。

組織の変遷

2008年、九州誠道会は暴力団対策法に基づく指定暴力団となりました。その後、道仁会との抗争終結を模索する動きもありましたが、2011年には再び抗争が再燃。2012年には改正暴対法の施行に伴い、特定抗争指定暴力団に指定されました。

2013年6月、九州誠道会は解散届を提出。解散理由として「一般社会の不安を取り除く唯一の手段」であることが挙げられました。しかし、同年10月には、浪川政浩を会長とする新団体「浪川会」が設立され、九州誠道会に対する特定抗争指定暴力団の指定は浪川会に引き継がれました。

その後

浪川会への指定は数回延長されましたが、抗争の沈静化に伴い、2014年6月に解除されました。

組織の特徴

九州誠道会は、工藤会、太州会、福博会、道仁会と並び、福岡県に本部を置く独立指定暴力団組織の一つでした。最盛期には約500人の構成員を抱え、覚醒剤の密売、債権の取り立て、高利の無資格貸金業などを資金源としていたと見られています。

他団体との関係

九州誠道会は、発足当初から道仁会と激しく対立。山口組系暴力団との親交関係も噂されましたが、道仁会との抗争への関与は厳禁されていました。溝下秀男(工藤會名誉顧問)の葬儀には、他の指定暴力団組織が参列する中、九州誠道会のみが出席しませんでした。

代表者

初代会長は村神長次郎（朴植晩）、二代目会長は浪川政浩（朴政浩）です。村神は指名手配中に逮捕され、浪川は突出した実力者として知られていました。

幹部

浪川政浩が会長を務めていた時期の幹部には、会長代行の永石秀三、副会長の上村隆幸、理事長の髙柳弘之などがいました。

九州誠道会は、短期間ながらも暴力団社会に大きな足跡を残した組織でした。その設立から解散、そして後身団体へと至るまでの経緯は、暴力団対策の難しさを物語る一例と言えるでしょう。

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