九州錦正男

九州錦 正男の生涯と業績

九州錦正男（くすにしき まさお）は、1921年2月1日に福岡県八幡市で生まれました。本名は石上正男（いしがみ まさお）で、宮城野部屋に所属して相撲界で活躍しました。彼の身長は171cmで、体重は120kgという体格を持ち、特に右四つからの寄り、さらには小手投げや吊りを得意とする力士でした。その相撲スタイルは、しっかりとした基盤を持っており、多くのファンに支持されました。

相撲キャリアの始まり

九州錦は、1938年の1月場所にて初土俵を踏み出し、その後の相撲界での道を歩み始めました。1942年には十両に昇進しますが、一時的に幕下に落ちてしまいます。しかし、彼は持ち前の実力を発揮しすぐに返り咲き、1944年の1月場所では素晴らしい成績である13勝2敗を収め、十両の優勝を果たします。この偉業は、彼の相撲人生の中でも特に記憶に残る瞬間となりました。

幕内での活躍

1945年6月に新入幕を果たし、同年11月場所では8勝2敗を記録し、力士としての地位を確立しました。以後、九州錦は幕内中堅力士として活躍し、彼の技術と集中力は多くの対戦相手にとって脅威となりました。しかし、彼はその実力を発揮する一方で、大きな名誉を得ることはできずに終わりました。それでも、彼は新入幕以来1954年の1月場所まで24場所連続して幕内に在位し続け、それは彼の技術力の証でありました。

九州錦は十両に落ちた後も現役を続けましたが、1954年9月の場所を最後に相撲界から引退します。彼の相撲人生は、決して華やかではなかったものの、努力と持続性によって築かれたものでした。

成績と評価

九州錦正男の通算成績は242勝257敗で、勝率は.485というものでした。特に幕内では148勝178敗となり、勝率は.454を記録しています。現役在位は42場所、幕内在位はそのうち24場所に及びました。また、十両優勝は1944年1月場所での1回のみでしたが、その後の彼の奮闘ぶりは評価され続けています。

四股名の変遷

九州錦の四股名は、初期には「石上正男」として活動していましたが、1939年5月場所から「九州錦正男」という名に改名し、1954年9月まで使用されました。

まとめ

九州錦正男は、昭和の大相撲界で確かな地位を築いた力士でありながら、大きな栄光には恵まれなかった選手でもあります。彼の誠実な相撲に対する姿勢や不屈の精神は、今も多くの力士やファンに影響を与え続けています。九州錦の相撲人生は、相撲界における一つの貴重なストーリーとして記憶されるでしょう。

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