九条加々丸

九条 加々丸の生涯と家系

九条加々丸（くじょう かかまる）は、室町時代前期に活躍した公卿で、関白である九条満家の長子として生まれました。彼の生涯は、家族の運命や後継問題、そして自身の健康状態に大きく影響されました。

加々丸は応永28年（1421年）に誕生しましたが、彼は幼少期から病弱であったため、成人しても元服を果たすことができませんでした。このことは後継者選びにおいて大きな問題となり、九条家内の血筋や家督の継承が取りざたされることになります。

文安5年（1448年）10月、九条満家は病を患い、大和国にいる弟の経覚を京に呼び寄せました。この状況下で、家を継ぐべき者を決定する必要が生じました。満家には、苦労して育てた嫡男である加々丸がいましたが、彼は28歳にして元服をしていないという特異な状態でした。そのため、次に有望と考えられた子供たちが注目されるようになりました。

一人目は、10歳の若君である九条政忠です。彼は既に満家の嫡子として期待されていました。二人目は、4歳の茶々丸（九条政基）で、加々丸の弟にあたります。この二人のうちどちらかが家督を継ぐべきか、経覚は心を悩ませました。

経覚は、まずは10歳の若君を家の当主にすることを提案し、将来的には茶々丸へと家督を譲る形をとることが最善ではないかと考えました。この提案を受けて、満家は心から嬉しく思い、若君を養子として受け入れることに決定しました。

こうして、若君が九条家の家督を継ぐことが決まったその日、加々丸は心の重荷が少し軽くなったと感じたことでしょう。そして、同年の10月5日、教法院で戒師の元出家の儀が行われました。経覚から直綴が授けられたことも大きな出来事でした。この出来事を経て、加々丸は“北殿”と呼ばれるようになります。

加々丸は康正3年（1457年）1月20日に死去しますが、彼の存在は九条家のみならず、当時の公卿たちにも影響を及ぼしました。彼の死は、家の運営や後継者問題の記録に重要な間接的影響を与えました。

系譜

• - 父：九条満家（1394-1449）
• - 母：一条局
• - 妻：堀川局
• - 男子：九条政忠（1440-1488）
• - 男子：覚尋

加々丸の生涯は、当時の日本社会における家族の結びつきや後継者問題の複雑さを教えてくれます。その生い立ちから出家、そして家族の運命に至るまで、彼の物語は今もなお興味深いものとして語り継がれています。

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