九条竴子

九条 竴子(くじょう しゅんし/よしこ)



九条竴子(くじょう しゅんし/よしこ)は、承元3年5月22日(1209年6月25日)に生まれ、天福元年9月18日(1233年10月22日)に亡くなった鎌倉時代の后妃で、国母であり女院です。彼女は後堀河天皇の中宮であり、四条天皇と暤子内親王の母として知られています。彼女の女院号は藻璧門院(そうへきもんいん)で、父は摂政関白左大臣の九条道家、母は太政大臣の西園寺公経の娘・掄子(綸子)です。九条家の血縁関係も興味深く、彼女の兄弟には摂政関白左大臣の九条教実や、鎌倉幕府の第4代将軍・藤原頼経などが含まれています。

来歴



1219年、竴子は寛喜元年の11月3日に従三位に叙位され、その後23日に女御となります。翌年の寛喜2年(1230年)には中宮に昇進し、さらに寛喜3年(1231年)には第一皇子の秀仁親王(四条天皇)と第四皇女の暤子内親王を出産しています。貞永2年(1233年)には院号を宣下され、「藻璧門院」と名付けられました。しかし、同年に皇子を死産し、その後まもなく自身も命を落としてしまいます。彼女の短い生涯には多くの和歌作品は残されていませんが、彼女の周囲には著名な歌人たちが仕えており、その名は後世にも知られています。

逸話



竴子の父である九条道家は、彼女の名前を決定する際、藤原道長の影響を強く意識していました。特に、彼女が天皇の后として初めて入内することから、道長の長女である藤原彰子の再来と期待されていました。その結果、竴子の名は「彦子」と「竴子」の2つの候補が挙がりましたが、最終的に「竴子」が選ばれました。彼女が四条天皇を出産することで道家は天皇の外祖父の地位を得ましたが、彼女はそれ以後の生活を楽しむことはありませんでした。

また、竴子はその美しさから後堀河院の寵愛を受けており、その美しさは「いひしらぬほどの美人」と称賛されています。入内に際して作られた和歌の屏風や、歌の詠進が依頼された逸話も彼女の周囲の賑わいを物語っています。竴子の女院号「藻璧門院」は、実際には藻壁門から名付けられていますが、後の世においてこの2つの言葉が混同されることが多かったとのことです。彼女の死後、後堀河院は悲しみに沈み、その影響を受けた者たちが次々と亡くなるなど悲劇的な状況が続きました。

竴子の死後、彼女の霊が夢に現れたという逸話もあり、彼女の存在は人々の記憶に強く刻まれました。特に、医学的なお話を記した記録も残されており、死のプロセスが当時どのように認識されていたかを知る手がかりとなっています。竴子の墓所に関連する場所も後の時代に建立されるなど、彼女の影響は長く続いています。

補注



竴子の生涯は短いものでしたが、彼女は当時の貴族社会の中で重要な役割を果たしました。彼女の名は、多くの逸話や記録に彩られ、歴史にその足跡を残しています。

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