九鬼隆都

九鬼 隆都（くき たかひろ）について

九鬼隆都は江戸時代後期に活躍した大名であり、丹波国綾部藩の第9代藩主です。彼の官位は従五位下大隅守および式部少輔であり、藩政において多大な功績を残しました。隆都は、第7代藩主である九鬼隆郷の次男として生まれましたが、兄の隆度の養子として藩主の地位を引き継ぎました。

生い立ちと家督相続

隆都は文政4年（1821年）12月1日に、当時の11代将軍徳川家斉に拝謁しました。その後、文政5年（1822年）の閏1月24日に養父である隆度が隠居したことにより、正式に家督を相続しました。文政6年12月16日には、従五位下大隅守に叙任され、その後、式部少輔に改任された彼は、その地位を駆使し藩政の運営に尽力しました。

藩政改革

九鬼隆都は大名として有能な手腕を発揮しました。彼は著名な学者である佐藤信淵や奥山弘平を招き入れ、農業政策を中心とした藩政改革を行いました。さらに、山鹿素水を藩に迎え入れることで軍事改革も進めました。特に弘化4年（1847年）には、木綿会所を創設し、専売制を導入することで藩財政の再建を図ったことが評価されています。

このような彼の取り組みは、幕府からも高く評価され、安政2年（1855年）には幕府講武所の総裁に任命されました。彼は兵学の主軸として山鹿流を選択し、この流派の重要な教えを講武所に取り入れることに成功しました。これは隆都が山鹿素水を介して築いた関係による成果であり、講武所の頭取兼兵学師範役に、山鹿流兵学の双璧であった窪田清音を推薦したことがきっかけでした。

晩年と家族

文久元年（1861年）には隠居し、長男の隆備に家督を譲ります。その後、慶応4年（1868年）7月27日には江戸から綾部への移住が許可され、明治3年には再び東京に移りました。隆都は明治15年（1882年）に82歳でこの世を去っています。

隆都の家系には多くの子供がおり、正室は有馬久保の娘で、継室には板倉勝俊の娘、側室には佐里がおりました。彼の子供たちの中には、長男の隆備をはじめ、三男の隆義、大田原富清、五男の一柳末徳など、多くの家族が続いていきました。これらの家族はそれぞれの道を歩み、九鬼家の歴史に名を刻みました。

結論

九鬼隆都は江戸時代後期における有名な大名であり、藩政改革における多大な功績により、丹波国綾部藩を支えた重要な人物です。彼の施策や努力は、今なお評価されています。

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