乳清

乳清（ホエイ）とは

乳清（にゅうせい）または乳漿（にゅうしょう）とは、牛乳から乳脂肪分やカゼインなどの固形成分を取り除いた後に残る水溶液のことです。日本では、英語の「whey（ホエイ）」という呼び名も一般的です。英語圏では「ウェイ」または「ウエイ」と発音されることが一般的です。

乳清の生成

乳清は、チーズを作る過程で、固形物であるカードと分離されて生成されます。また、ヨーグルトを静置すると上部に液体が溜まることがありますが、これも乳清です。大量に生産されるにもかかわらず、かつては多くが廃棄されていました。

大豆ホエイ

大豆由来の乳清は「大豆ホエイ」と呼ばれ、水溶性タンパク質が豊富に含まれています。

乳清の用途と栄養価

近年、乳清の栄養価の高さが見直され、食品としての利用価値が高まっています。乳清は、高タンパク・低脂肪であることに加え、乳由来のカルシウムなどの無機栄養分や、ビタミンB群をはじめとする各種ビタミン類も豊富に含んでいます。また、消化吸収が速く、タンパク質合成やインスリン分泌を促進する効果も期待できます。

食品としての利用

乳清は、その独特の甘酸っぱい風味を活かし、加工飲料としても販売されています。また、粉末状のホエイパウダーは、プロテインサプリメントの原材料として利用されています。さらに、生クリームの代替として料理に使用することで、カロリーを大幅に抑えることも可能です。乳清は、胃酸で凝固しやすく消化しにくいカゼインが除去されているため、乳児用調製粉乳の主原料としても適しています。

ホエーチーズ

イタリアでは、乳清をさらに加工してチーズを作ることもあります。乳清から作られたチーズは「ホエーチーズ」と呼ばれ、リコッタなどが代表的です。

畜産飼料としての利用

乳清は、畜産の分野でも活用されています。イタリアのパルミジャーノ・レッジャーノの産地では、豚の飼料として乳清を与えることが義務付けられています。これにより、豚肉の品質向上に貢献しています。同様に、北海道の十勝地方などでも、豚の飼料として乳清を利用する取り組みが広がっており、乳清で育った豚は「ホエー豚」としてブランド化されています。

その他

動物実験では、大豆ホエイタンパク質に血圧降下作用が確認されています。ただし、高齢女性を対象とした長期間の乳清タンパク質摂取試験では、血圧への影響は認められなかったとの報告もあります。

まとめ

乳清は、かつては廃棄されていたものの、栄養価が高く様々な用途で活用できる、非常に価値のある資源であることが再認識されています。食品、畜産、そして健康分野での今後の活用が期待されます。

参考情報

* [乳]]清 - 素材情報データベース＜有効性情報＞（国立健康・[[栄養研究所]]）: [https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail270.html

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