乳脂肪

乳脂肪の概要

乳脂肪とは、牛乳に含まれる脂肪成分のことを指します。牛乳やクリームは、乳脂肪の含有量によって市場での価値が変わることが多いため、この成分は非常に重要です。乳脂肪は、その種類や存在する脂肪酸の構成によって、栄養価や風味に影響を与えています。

成分の詳細

乳脂肪には主に飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸が含まれています。特に、以下の脂肪酸が代表的です。

飽和脂肪酸

• - パルミチン酸：31%
• - ミリスチン酸：12%
• - ステアリン酸：11%
• - 短鎖脂肪酸（炭素数12以下）：11%
• - ペンタデカン酸やマルガリン酸：痕跡量

これらの飽和脂肪酸は、乳脂肪のクリーミーさや口当たりに寄与しています。特にパルミチン酸は、乳中の主要な成分となっています。

不飽和脂肪酸

• - オレイン酸：24%
• - パルミトレイン酸：4%
• - リノール酸：3%
• - リノレン酸：1%

不飽和脂肪酸は体に良い影響をもたらすとされ、コレステロールの管理にも役立つことが知られています。

脂肪酸とトリグリセリド

乳脂肪の脂肪酸は、単体ではなく、トリグリセリドという形で存在します。これは、3つの脂肪酸がグリセロールに結合した化合物で、体内でのエネルギー源としても利用されます。トリグリセリドは、脂肪を消化する過程で重要な役割を果たすため、乳脂肪の成分として欠かせないものです。

アメリカ合衆国における乳脂肪の標準

アメリカでは、乳製品における乳脂肪の含有量に関する規格が定められています。この規格は、消費者に対して製品の品質を保証し、法定の脂肪量を持つ製品の流通を促進しています。以下に、主要な乳製品における乳脂肪の基準を示します。

牛乳の種類

• - スキムミルク：0.5%以下（通常0.1%以下）
• - 低脂肪乳：0.5-2%（通常1-2%）
• - 全乳：3.25%以上

チーズの種類

• - 乾燥カードと無脂肪カッテージチーズ：0.5%以下
• - カッテージチーズ：4%以上
• - 低脂肪カッテージチーズ：0.5-2%
• - チェダーチーズ：50%以上
• - スイスチーズ：43%以上

フローズンデザート

• - アイスクリーム：10%以上
• - 低脂肪アイスクリーム（アイスミルク）：2.6%以下
• - シャーベット：1-2%

クリームの種類

• - ハーフアンドハーフ：10.5-18%
• - ライトクリームまたはサワークリーム：18-30%
• - ホイップクリーム：30-36%
• - ヘビークリーム：36%以上
• - バター：80%以上

このように、乳脂肪は多様な食品に幅広く使われており、健康や栄養において重要な役割を果たしています。

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