乾正清

乾正清の生涯と家系

生い立ち

乾正清（いぬい まさきよ）は、江戸時代中期に活躍した土佐藩の上士です。彼は、禄高300石を持つ板垣支流乾氏の第5代当主であり、家紋は「榧ノ内十文字」として知られています。正清は、高知城下（現在の高知県高知市）で、乾正方（庄右衛門）の二男として誕生しました。彼の母は山内内匠の家系から来た前野定次の娘であり、家系としても重要な背景を持っています。

通称は長三郎でしたが、後に惣次郎と名乗り、最終的には與惣左衛門という名を持つようになりました。兄の乾加助が先代の惣領を務め、土佐藩主である山内豊昌に御目見を果たしていましたが、加助は1698年に急死します。そのため、正清は1699年に豊昌から新たに惣領職に任命されることとなります。

官職と役職

1712年、乾正清は父・乾正方の名代として江戸勤番を務めることとなり、彼の政治的及び軍事的な活動が始まります。1715年の7月16日には、父が病死し、そのわずか2ヶ月後に亡父の跡目として300石の禄高を無相違に受け継ぎました。この時期、彼は土佐藩主・山内豊隆から後継者としての地位を認められました。

その後、1725年にも江戸勤番を命じられ、彼の役割はより重要なものとなりました。1736年に病死するまで、彼は藩内外で重要な責任を果たしていきます。

家族とその系譜

乾正清の家族は非常に広範で、彼の祖父は乾正祐（與惣兵衛）であり、祖母は早崎氏の娘です。父には乾正方がいて、兄には乾加助がいますが、加助の嫁には雨森氏春（九太夫）の娘や服部傳太夫の娘がいました。

正清自身には道積良仍の娘である正室がいましたが、早世してしまいます。その後、出雲路直元の妹を継室に迎えました。彼には5人の子供があり、長男の乾直建、二男の乾直強、三男の中山秀信、四男の乾強正がいます。中山秀信は、中山秀実（香宗我部覚丞）の養子となっています。また、孫の乾正聰や曾孫の乾信武、永原信照といった家系が続き、家族の繋がりも色濃く残っています。

供養と墓

乾正清の墓所は、土佐国土佐郡薊野村の板垣山にある代々の墓地に建てられています。ここは現在の高知市薊野東町の北東付近になります。当時の墓所は、彼の遺族や子孫によって守られ、今でも地域の人々に大切にされています。

参考文献

乾正清の歴史を知るための文献は数多く存在し、特に『御侍中先祖書系圖牒』『土佐名家系譜』『土佐の墓』などが氏の家系や背景について詳細に述べています。また、近年の書籍『板垣精神』や『日光東照宮と板垣退助』も関連資料として活用されています。これらの文献を通じて、乾正清の人生や家族、そして彼が果たした役割を深く学ぶことができるでしょう。

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