乾正祐

乾 正祐の生涯とその家族

乾正祐（いぬい まさすけ）は、江戸時代前期に活躍した土佐藩の上士であり、彼の通称は與惣兵衛です。彼の家紋は「榧ノ内十文字」であり、土佐藩の板垣支流乾氏の第3代にあたります。彼の祖父は乾正行（金右衛門）で、彼は高知城下（現在の高知市）で生まれました。

家族構成と幼少期

乾正祐は、父である乾正行の嫡男として育ち、母は毛利治郎右衛門の娘です。このような背景を持ちながら、彼は江戸時代という激動の時代を生き抜きました。彼の家族は土佐藩の上士として重要な役割を果たしており、家伝の伝承や文化の蓄積にも貢献していました。

若き日の生活と父の補佐

彼の父、乾正行は老年を迎え、視力を損なう病を患っていました。そのため、正祐は父の仕事を頻繁に補佐するようになり、家督を正式に相続する前から家業に携わっていました。そして、1650年1月20日、父が逝去した後、彼は家の繁栄を引き継ぐこととなります。

土佐藩での活動

正祐は、土佐藩主山内忠義の時代にさまざまな役割を担いました。1657年には、伊予松山藩の藩主松平定行への使者として派遣され、その任務を無事に果たして土佐に帰藩しました。さらに1660年には、紀伊和歌山藩の藩祖徳川頼宣が国を訪れる際に、山内忠豊から使者としての役目を任され、再び藩に戻ることができました。

役職や役禄の変遷

彼は、1663年に柄弦御指物役を任命され、1668年には御弓知という役職を得ました。さらに、1671年には御弓知から鉄砲足軽知へと格上げされ、500石を治める上士としての地位を確立します。このような昇進は、彼が藩内で重要な役割を果たすことを示しています。

晩年と死去

正祐は、1672年の7月6日に江戸で病により亡くなりました。葬儀は芝の曹洞宗青松寺で執り行われ、彼の墓は高知県高知市薊野東町に建てられました。彼の死は多くの人に惜しまれ、土佐藩における影響力を持った人物として記憶されています。

家族のその後

正祐の家族構成は、妻に早崎石見の娘を迎え、嫡男として乾正方（庄右衛門）、二男に乾十次郎を持っていました。また、弟として乾正直（市郎兵衛）や乾友正（源五郎）がいます。これにより、家系の繁栄が世代を超えて伝承されていったことがわかります。

参考文献

1. 『御侍中先祖書系圖牒』 - 旧山内侯爵家所蔵（高知県立図書館寄託）
2. 『南路志』

乾正祐の生涯は、土佐藩における侍としての誇りやその家族の伝統が如何に受け継がれていったかを物語っています。

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