亀田綾瀬

亀田綾瀬（かめだ りょうらい）

生涯

亀田綾瀬は、安永7年7月10日（1778年8月2日）に江戸で生まれ、嘉永6年4月14日（1853年5月21日）に76歳で亡くなった、江戸時代末期の儒学者です。父は同じく儒学者である亀田鵬斎で、幼少の頃から父から学問を学びました。名は長梓（ちょうし）、字は木主（ぼくしゅ）、通称は三蔵（さんぞう）です。

綾瀬は、父の跡を継ぎ、自らも学塾「学経堂」を開きました。当初は浅草の蔵前に、その後、日本橋本材木町に移転し、晩年には深川で子弟の教育に尽力しました。また、関宿藩主の久世氏に招かれ、藩校である教倫館の儒官も務めました。

多くの弟子を育て、その中には、芳野金陵、圓山北溟、並木爽山、出井貞順、新井稲亭、中島撫山といった著名な人物がいます。綾瀬の死後、学経堂は養子である亀田鶯谷が継ぎました。墓は、現在の東京都台東区今戸にある称福寺にあります。

人物

弟子の証言によると、綾瀬は「身長が五尺四五寸ほどで、白髪で鼻筋が高く、穏やかな顔つきながら、その眼光は人を射るようであった」とされています。父・鵬斎が豪快な人柄であったのに対し、綾瀬は温厚で誠実な人物として知られていました。学問だけでなく文章にも優れており、書道にも才能を発揮し、特に草書体に優れていたと伝えられています。

著書

主な著書として、以下のものが挙げられます。

『綾瀬先生遺文』（嘉永7年（1854年）刊行）
『学経堂文集』（未刊）

その他

綾瀬は、儒学者としてだけでなく、教育者としてもその才能を発揮し、多くの優れた人材を育成しました。彼の残した業績は、日本の教育と文化に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

参考文献

* 村山吉廣『評伝・中島敦』（2002年、中央公論新社）

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