村山吉廣

村山吉広

村山吉広（むらやま よしひろ、1929年12月9日 - ）は、中国古典、中でも詩経学を専門とする日本の著名な学者です。早稲田大学名誉教授の称号を持ち、日本詩経学会の会長、日本中国学会の顧問、斯文会の参与といった要職を歴任してきました。彼の専門は、中国古典学、特に詩経の研究に加え、江戸時代から明治時代にかけての漢学・漢文学にも及びます。

略歴

埼玉県春日部市で生まれた村山吉広は、早稲田大学文学部を卒業後、同大学の文学部教授となりました。1999年に定年退任し、名誉教授の称号を受けました。長年の学術的な貢献が認められ、2016年11月には瑞宝中綬章を受章しています。

業績

村山吉広は、中国古典に関する数多くの著書を発表しており、その研究成果は広く知られています。以下に代表的な著書をいくつか紹介します。

『中国の古典詩 詩経から唐詩まで』（早稲田大学出版部、1970年）
『中国の思想』（社会思想社・現代教養文庫、1972年／ちくま学芸文庫、2024年10月）
『中国の知嚢 正・続』（読売新聞社、1984-1985年／中公文庫、1988年）
『論語名言集 中国古典の不滅の知恵』（永岡書店・ビジネス選書、1989年／中公文庫、1999年）
『楊貴妃 大唐帝国の栄華と暗転』（中公新書、1997年／講談社学術文庫、2019年）
『故事ことわざで読む史記』（小学館ジェイブックス、1998年）
『漢学者はいかに生きたか 近代日本と漢学』（大修館書店・あじあブックス、1999年）
『論語のことば』（斯文会・明徳出版社、2002年）
『評伝・中島敦 家学からの視点』（中央公論新社、2002年）
『書を学ぶ人のための漢詩漢文入門』（二玄社、2004年）
『詩経の鑑賞』（二玄社、2005年）
『忍藩儒 芳川波山の生涯と詩業』（明徳出版社、2009年）
『書を学ぶ人のための唐詩入門』（二玄社、2010年）
『藩校 人を育てる伝統と風土』（明治書院、2011年）

これらの著書は、中国の古典文学や思想をわかりやすく解説し、多くの読者に親しまれています。また、共編著や翻訳も多数手がけており、中国文化の普及に大きく貢献しています。

翻訳

『中国笑話集』（社会思想社、1972年）
『孫子』（平凡社、1973年）
『蒙求 李瀚、小学 朱熹 』（講談社、1987年）

記念論集

村山吉廣教授古稀記念中國古典學論集（汲古書院、2000.3）

村山吉広の研究は、中国古典に対する深い理解と愛情に根ざしており、その著作は学術的な価値だけでなく、一般読者にとっても中国文化への興味を深めるきっかけとなっています。彼の業績は、中国古典学の発展に大きく貢献しており、後進の育成にも力を注いでいます。

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