予算 (日本)

日本の予算制度

予算（よさん）は、一会計年度における歳入と歳出の予定を示す、財政運営の基本的な計画です。本稿では、日本の国家予算と地方予算の仕組みを詳述します。

会計年度

日本の会計年度は財政法第11条により、毎年4月1日から翌年の3月31日までの1年間と定められています。これに基づき、国家予算や地方予算が編成されます。

国家予算

内閣は毎年、国会に予算を提出し、その議決を得なければなりません（日本国憲法第86条）。日本では、予算は法律として成立するわけではなく、国会の審議を経て法律に準じた形式で予算が成立します。

予算の形式

日本の予算は、以下のように分類されます：

• - 一般会計予算：国の基本的な公共サービスを提供するための歳入歳出。
• - 特別会計予算：特定の事業のために設置され、特定の歳入を充てる。
• - 政府関係機関予算：特別な法律に基づく法人のための予算。

予算の分類は、政府が行う活動の内容に基づいています。これにより、より効率的かつ透明な財政運営が可能となります。

予算の種類

日本の予算は更に以下のように分けられます：

• - 本予算（当初予算）：会計年度の開始前に成立する予算。
• - 暫定予算：本予算が成立しない場合に必要な経費を手当てするための予算。
• - 補正予算：経済状況や災害などの影響を受けた場合に、既存の予算を修正するための予算。

予算の詳細

予算には以下の要素が含まれます：
1. 予算総則：予算全体の基本方針や発行限度額などの規定。
2. 歳入歳出予算：具体的な収入と支出の計画。
3. 継続費：数年度にわたる特殊な事業への支出。
4. 繰越明許費：年度内に支出が終わらない経費を翌年度に繰り越すための費用。
5. 国庫債務負担行為：将来の支出に対する負担の権限を求める行為。

予算の編成プロセス

予算の編成は、内閣が国会の議決を得るための予算案を作成する段階から始まります。このプロセスには、経済財政諮問会議が基本方針の原案を策定し、閣議決定、概算要求の査定、復活折衝などが含まれます。

予算案は、日本国憲法第60条の規定に基づき、衆議院に先に提出され、その後、参議院で審議されます。両議院での議決を経て予算は成立します。

予算の執行と決算

予算が成立すると、内閣は各省庁に対して予算を配分します。そして、実行に際しては支出負担行為や支出行為が必要となります。支出は通常、国庫預託金制度を通じて行われ、適切な監査を受けることが求められます。

決算では、歳入が歳出を上回ることが通常ですが、歳入不足が生じた場合には補正予算などで対応します。1977年度からは決算調整資金制度が設けられ、歳入不足には追加の対策があります。

地方予算

普通地方公共団体の長は、毎年度の予算を家庭し、議会に提出して承認を得る必要があります（地方自治法第211条）。それぞれの予算は、歳入歳出予算や継続費、繰越明許費で構成され、財政の透明性と効率性を目指しています。

地方予算も国家予算と同様に、歳入の予算は性質に従い、大別し、歳出は目的に基づいて区分されます。これにより、効果的な 財政運営が図られています。

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