二上山 (岡山県)

二上山（ふたかみさん）

二上山は、岡山県久米郡美咲町両山寺にそびえる標高689メートルの山です。この山は、日本の棚田百選にも名を連ねている大垪和地区の北側に位置し、自然の美しさを誇っています。山の名前は、最高地点に存在する西峰と東峰の2つの頂上に由来しています。

山の文化的背景

二上山の特徴的な点は、山腹に存在する文化的な遺産です。特に目を引くのは、山岳密教の寺院である両山寺や、二上神社、さらには天邪鬼の重ね岩です。これらの歴史的なスポットは、訪れる人々に深い文化的体験を提供しています。

天邪鬼の重ね岩

山の北西部に位置する天邪鬼の重ね岩は、特に伝説的な場所として知られています。この場所には、古くから伝わる物語があります。伝説によれば、天邪鬼が天に昇ろうとし、岩を重ねていったというのです。彼は、柄杓の長さほどの岩を重ねれば天に届くと信じていましたが、岩が足りなくなり、山を下りて新しい岩を探している間に、日頃から敵対していた天狗によって、その岩は突き崩されてしまいました。この逸話は、天邪鬼の重ね岩が今の形になる理由を語っています。

一方、他の伝承によると、天邪鬼は星を取るために岩を重ねていたとされています。どちらの伝説も、二上山が持つ神秘的な魅力を一層引き立てています。

二上神社

また、二上神社は両山寺の境内に位置し、旧社格では村社となっています。祭神は伊弉諾命と伊弉冉命であり、古くからこの地で信仰されています。この神社の創建の背景には、役行者がこの地域を訪れた際に見た夢があり、その夢に影響を受けて祠を建てたことが伝えられています。

「二上の社」という名前で呼ばれていましたが、永禄年間（1558年 - 1570年）に戦火によって一度焼失してしまいました。しかし、元亀元年（1570年）に再建され、その後「二上八頭大明神」という名称に改められました。明治6年（1873年）には、現在の「二上神社」という名称に変わりました。

自然と訪れる価値

二上山は、自然愛好者や歴史に興味のある人々にとって、訪れる価値のある場所です。雄大な景色や豊かな文化的背景、そして神秘的な伝説に包まれたこの場所では、登山や自然散策だけでなく、深い歴史を感じることもできます。日本の棚田百選に選ばれた地域の美しい風景を楽しむこともでき、訪れる人々にとって特別な体験となることでしょう。

参考文献

• - 岡山県勤労者山岳連盟/著・福田明夫/編集 『新ルート・岡山の山 百選』吉備人出版 1998年
• - 現地説明板、環境省・岡山県 設置

関連項目

• - 両山寺

このように、二上山は自然の美しさと歴史的価値が共存する、訪れる価値のある山です。

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