二十三府制

二十三府制について

二十三府制は、1895年5月26日に公布された勅令によって導入され、1896年8月までの短期間にわたって施行された地方行政の制度です。この制度は、当時の朝鮮王朝の地方行政区画を大幅に見直すもので、日本の府県制度を手本にして全国を23の府と337の郡に再編成しました。この変更により、従来の八道制は廃止され、新たに設けられた二十三府が中心的な役割を果たすこととなりました。

制度の施行背景

この制度は、地方行政の効率化と統治の強化を目的としていました。政府の機能を強化し、地方への指揮をよりスムーズに行うための改革であったと言えます。特に、名目上は従来の朝鮮の府や県といった名称を統一し、全てを「郡」へと一本化しました。このような形で地方の権限を集約し、中央政府の影響力を高める狙いがありました。

二十三府一覧

ここでは、二十三府の構成を見ていきましょう。

• - 漢城府: 漢城郡、楊州郡など。
• - 仁川府: 仁川郡、金浦郡など。
• - 忠州府: 忠州郡、清風郡など。
• - 洪州府: 洪州郡、結城郡など。
• - 公州府: 公州郡、鎮岑郡など。
• - 全州府: 全州郡、高山郡など。
• - 南原府: 南原郡、光陽郡など。
• - 羅州府: 羅州郡、興陽郡など。
• - 済州府: 済州郡、大静郡など。
• - 晋州府: 晋州郡、泗川郡など。
• - 東萊府: 東萊郡、慶州郡など。
• - 大邱府: 大邱郡、義城郡など。
• - 安東府: 安東郡、英陽郡など。
• - 江陵府: 江陵郡、平海郡など。
• - 春川府: 春川郡、平康郡など。
• - 開城府: 開城郡、豊徳郡など。
• - 海州府: 海州郡、白川郡など。
• - 平壌府: 平壌郡、安州郡など。
• - 義州府: 義州郡、碧潼郡など。
• - 江界府: 江界郡、厚昌郡など。
• - 咸興府: 咸興郡、高原郡など。
• - 甲山府: 甲山郡、三水郡。
• - 鏡城府: 鏡城郡、吉州郡など。

制度の影響とその後

ただし、二十三府制は施行から約1年後の1896年8月に廃止され、再び道制に戻されることとなります。このように短命に終わった背景には、朝鮮国内の政治的動乱や日本の影響力の変動があったと考えられます。

この制度がもたらした地方行政に対する新たなアプローチや試みは、現在の韓国や北朝鮮の地方行政区画に対する理解を深める上で、重要な歴史的な教訓を与えていると言えるでしょう。二十三府制の意義や結果は、朝鮮王朝の歴史を知る上で見逃すことのできない重要な一幕を提示しているのです。

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