吉州郡

吉州郡（キルチュぐん）

吉州郡は、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）の咸鏡北道に位置する郡です。郡の所在地は吉州邑にあります。2006年以降、北朝鮮の核実験基地として国際的に注目されています。

地理

吉州郡は咸鏡北道の南部に位置し、東は明川郡、南は金策市と花台郡、北は明澗郡と漁郎郡、西は咸鏡南道端川市と両江道白岩郡に接しています。咸鏡山脈と馬嶺山脈が交わる場所に位置し、山岳地帯が広がっています。特に郡の北西部には標高の高い山々が連なっています。

気候は比較的冷涼で、年平均気温は7.5度です。1月の平均気温は-7.6度、8月の平均気温は22.2度となっています。

行政区画

吉州郡は、1邑、5労働者区、22里を管轄しています。

邑: 吉州邑
労働者区: 営北労働者区、龍潭労働者区、洲南労働者区、日新労働者区、営南労働者区
里: 温泉里、龍城里、青岩里、豊渓里、営基里、柳川里、双龍里、鳳岩里、塔陽里、白元里、南陽里、日新里、徳新里、門岩里、錦川里、洲南里、坪六里、林洞里、龍潭里、十一里、新洞里、木城里、合浦里、春興里

歴史

吉州郡の地域は、古代には高句麗と渤海の領土でした。その後、長い間女真族が居住していました。1107年に高麗がこの地を占拠しましたが、13世紀には元の領土に編入されました。高麗末期に再び高麗が占拠し、1390年に「吉州」と命名されました。

李氏朝鮮時代初期の1398年には、吉州牧が置かれました。文禄・慶長の役（壬辰倭乱）の際には、加藤清正率いる兵士1500人がこの地に駐屯しました。

1895年に吉州牧は郡となり、鏡城府に属しました。翌1896年に道の南北分割が行われ、咸鏡北道に属することになりました。日本統治時代には農村地帯でしたが、北朝鮮時代に入ると電気絶縁体や通信設備の生産拠点として発展しました。

交通

吉州郡の東部には、平壌とを結ぶ鉄道（平羅線）が通っており、咸興市や清津市とを結ぶ自動車道路も整備されています。

鉄道路線

平羅線: 芦洞駅 - 吉州青年駅 - 金松駅 - 温水坪駅
白頭山青年線: 吉州青年駅 - 南夕駅 - 城後駅 - 豊渓駅 - 載徳駅 - 城徳駅
日炭線: 芦洞駅 - 日炭駅

核実験施設

吉州郡の豊渓里と春興里一帯の山林地帯は、両江道との境界に位置しています。1970年代から軍事衛戍地域に指定され、一般人の立ち入りが厳しく制限され、さまざまな軍事実験が行われてきました。2006年10月には、この地域で北朝鮮による初の核実験が行われ、国際的な非難を浴びました。現在も核実験施設が存在すると考えられています。

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