二十二社

二十二社について

二十二社（にじゅうにしゃ）は、日本の神社における社格の一つで、特に国家における重要なイベントや天変地異の際に、朝廷から特別に奉幣を受けた神社を指します。この制度は、主に京都周辺の神社から選ばれたもので、平安時代の後期、具体的には後朱雀天皇の長暦3年（1039年）に日吉社が追加された後、白河天皇の永保元年（1081年）に二十二社の制度が正式に確立したとされています。この制度は戦後に廃止されたため、現在ではその形跡を見つけることは難しいです。

成立の起源

二十二社の成立について、歴史的な記録がいくつか残されています。特に南北朝時代の公家、北畠親房はその著書『二十一社記』の中で、この制度が皇城を守る神々として位置づけられたことを述べています。また、当時の神祇行政に関する考察も行われており、特定の神社が次第に固定化され、二十二社として認識されるようになった経緯が説明されています。

江戸時代には、多くの研究者によって二十二社に関する考察が行われ、特に大正時代に発表された『神祇史綱要』はこの制度の起源を深く掘り下げています。

行政制度の変遷により、平安時代には多くの神社が存在しましたが、律令制度の衰退と共に奉幣が行われる神社の数も制限され、最終的には二十二社として安定した座を得るに至ったとされています。

奉幣制度の詳細

二十二社に選ばれた神社は、日々の神事や重要な祭事において特別な奉幣を受けていました。これらの奉幣は、農業や天候、国家の安泰を願うもので、中央の神祇官によって公式に行われていました。特に、当時の神社はその地域の象徴的な存在であり、多くの信仰の対象でもありました。

『日本紀略』と呼ばれる文献には、奉幣を受けた神社のリストが詳細に記載されており、時代と共にその奉幣社名や数も変動していました。これらの記録からは、当時の神祇行政の流れや、神社の社会的な役割の変化を垣間見ることができます。

二十二社制度の確立

二十二社は、長期にわたる歴史を経て確立された制度であり、最終的には永保元年に固定化され、その後の神社行政の基礎となりました。二十二社の選定には、主に山城国や大和国に位置する官幣大社が考慮され、地域の神徳や社会的な影響力も重要視されていました。

また、二十二社に加わる神社は、歴史的に見ても特権的な位置づけを享受しており、多くの信者や社運に寄与してきました。

現代における二十二社

戦後、二十二社制度は廃止されましたが、現在においてもその存在は過去の文化や歴史の中で受け継がれています。神社そのものは全国に多く存在し、地域の信仰の中心としての役割を果たしていますが、二十二社としての制度はもはや存在しません。

本制度の歴史は、自治的な神社の運営や、日本の宗教のあり方について、多くの考察を促す重要なテーマであり続けるでしょう。このような歴史的背景を理解することは、日本の神道を深く知る手助けとなります。

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