二口林道

二口林道の全貌

二口林道（ふたくちりんどう）は、奥羽山脈の二口峠を越え、山形県山形市大字山寺と宮城県仙台市太白区秋保町大字馬場を結ぶ林道です。この道は郷土の歴史や自然を眺めながらのドライブを楽しむことができる重要なルートであり、総延長は19.0キロメートル（山形県側：9.0km、宮城県側：10.0km）、最高点の標高は934メートルとなっています。

歴史的背景

二口林道は江戸時代から存在した街道を基にしており、1973年に自動車通行可能な道路として改修されて開設されました。もともとは県道の一部だったが、県境近くで林道に降格され、現在は宮城県道・山形県道62号仙台山寺線に挟まれた形となっています。歴史を辿ると、この道は仙台藩の重要な交通路として機能し、物資の輸送に利用されてきました。江戸時代には、仙台から山形へと海産物が運ばれ、山形からは上方や蝦夷地へ向かう輸送が行われていました。

自然と観光地

当林道は、蔵王国定公園や宮城県立自然公園のエリアを通過しています。沿道には二口番所跡や、特に注目される奇岩「磐司岩」が点在し、自然の美しさが堪能できます。また、県道仙台山形線に沿った秋保側には名所秋保大滝や秋保温泉があり、山寺側には立石寺（山寺）があります。二口林道は、これらの観光地を結ぶ最短のアクセスルートとなっていることから、多くの観光客にも利用されています。

道路の仕様

二口林道は大型自動車の通行に関して制限があり、特にマイクロバスを含む大型車は通行禁止です。また、冬には通行止めが行われ、急勾配や九十九折の区間が多い特徴的な道路です。幅員は4.0mから7.0mあり、すれ違いを行うための待避所がいくつか設置されています。全線が舗装されており、自動車での移動が可能ですが、特に宮城県側では傾斜が急なため、注意が必要です。2019年には全線が舗装整備され、通行がより安全になりました。

近年の動き

近年、二口林道では修繕や改良が行われています。1999年の豪雨による路面崩壊や、2007年の台風による土石流の被害を受け、復旧工事が続けられてきました。行政の努力で道路が復旧され、2011年には12年ぶりに全通し、便利な交通手段として再び機能しています。

まとめ

二口林道は、その美しい自然や歴史的背景から、多くの人々に親しまれている道路です。周辺には観光スポットも多く、訪れる価値があります。特に山形県と宮城県を結ぶ重要な交通手段として、今後もその存在意義は高まることでしょう。

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