二居ダム

二居ダム（ふたいダム）

二居ダムは、新潟県南魚沼郡湯沢町を流れる信濃川水系清津川に建設された、高さ87メートルのロックフィルダムです。電源開発株式会社（Jパワー）が所有しており、大規模な揚水式水力発電所である奥清津発電所および奥清津第二発電所の下池として、重要な役割を担っています。上池であるカッサ[[ダム]]（田代湖）との間で水を往来させ、最大160万キロワットもの電力を発生させる能力を有しています。

歴史

日本最長の河川である信濃川は、長野県を源流とし、新潟県内を流れる間に多くの支流を合流させながら、その流域に豊かな恵みをもたらしています。特に山間部は豪雪地帯で地形的にも急峻なことから、水力発電に適しており、多くの発電所が建設されてきました。戦後に発足した電源開発も、信濃川水系における電源開発事業を積極的に展開。1960年代には信濃川水系黒又川において黒又川第一・第二ダムを完成させ、1970年代に入ると、清津川上流部での大規模な揚水発電所建設計画に着手しました。

この計画では、長野県との境にある苗場山に端を発し信濃川に注ぐ清津川と、その支流であるカッサ川にそれぞれダムを建設。両ダムの標高差を利用して、100万キロワットの電力を生み出すことを目指しました。工事は1972年（昭和47年）に始まり、1978年（昭和53年）に完成しました。その後、発電能力をさらに増強するため、60万キロワットの発電能力を持つ奥清津第二発電所の増設工事が開始され、1996年（平成8年）に完成。これにより、最大出力は合計で160万キロワットとなり、日本有数の規模を誇る揚水発電所となりました。

周辺

関越自動車道・湯沢インターチェンジから苗場スキー場方面へ向かう国道17号沿いには、奥清津発電所への分岐点があります。山腹に大きく「OKKY」の文字が見えたら、トンネルを抜けると二居ダム直下にある奥清津発電所に到着します。「Okky」は奥清津発電所の愛称で、愛嬌のあるマスコットキャラクターが出迎えてくれます。多くの電力会社は広報のために発電所周辺に見学施設を設けていますが、奥清津では発電所建屋そのものが広報館「Okkyミュージアム」として機能しており、事前の申し込みなしで無料で見学することができます。所員の引率なしで、実際の発電機器を間近に見学できる貴重な機会です。Okkyミュージアムは、4月から11月までの期間、毎週月曜日を除く9時30分から17時まで開館しています。

二居ダムの頂上からは、上流へと広がる青々とした湖面や、ダム直下に並ぶ水色の電力機器を一望できます。周辺にはかぐらスキー場や苗場スキー場などのスキー場が多く、冬には多くのスキー客で賑わいます。国道17号沿いの田代ステーションと、かぐらスキー場の田代ゲレンデを結ぶ田代ロープウェイからは、二居ダムを含む奥清津発電所全体の景観を眺めることができます。なお、二居ダムと対をなすカッサ[[ダム]]は、一般の立ち入りが制限されています。

二居ダムの下流に位置する清津川には、上信越高原国立公園に指定されている名勝・清津峡があります。かつて国土交通省は清津川にダムを建設する計画を持っていましたが、公共事業の見直しに伴い、この計画は中止となりました。

脚注

二居ダムは、その大規模な発電能力と周辺の景観から、訪れる人々に自然とテクノロジーの調和を感じさせてくれるスポットです。
ダムの建設によって形成された湖は、四季折々の美しい表情を見せ、訪れる人々の目を楽しませてくれます。

関連項目

ダム
日本のダム
ロックフィルダム
電力会社管理ダム
水力発電 - 揚水発電
カッサ[[ダム]]
電源開発
清津峡
中部地方のダム一覧

外部リンク

ダム便覧（財団法人日本ダム協会） 二居ダム
* 電源開発 - Okky 奥清津発電所

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