二見直三

二見直三：地方行政に尽力した官僚・盛岡市長

二見直三（ふたみ なおぞう）は、1888年（明治21年）10月4日に生まれ、1953年（昭和28年）12月30日に没した、日本の内務・警察官僚であり、後に盛岡市長を務めた人物です。彼の生涯は、地方行政に深く関わり、その足跡は多岐にわたります。

生い立ちと学歴

岩手県盛岡市出身の二見直三は、二見直吉の長男として誕生しました。彼は第八高等学校を経て、1915年（大正4年）に東京帝国大学法科大学を卒業しました。その後、1917年（大正6年）10月には文官高等試験行政科試験に合格し、官僚としてのキャリアをスタートさせることになります。

内務官僚としての経歴

1918年（大正7年）2月、二見は内務省に入省し、福井県属としてキャリアをスタートさせました。その後、福井県警視、山口県理事官、秋田県書記官・学務部長、大分県書記官・警察部長、奈良県書記官・警察部長、京都府書記官・警察部長、宮城県内務部長、北海道庁土木部長など、様々な要職を歴任しました。これらの経験を通じて、彼は地方行政に関する深い知識と経験を積み重ねていきました。

滋賀県知事と台湾総督府警務局長

1936年（昭和11年）4月、二見は滋賀県知事に就任しました。しかし、同年9月には台湾総督府警務局長に転任となり、台湾での行政にも携わることになりました。1940年（昭和15年）12月には警務局長を退任し、官界を引退しました。

盛岡市長としての活動と晩年

官僚を退いた後、二見は1943年（昭和18年）9月から1946年（昭和21年）10月まで盛岡市長を務めました。しかし、その後公職追放となり、一時的に公職から離れることになりました。1952年（昭和27年）7月、再び盛岡市長に当選しましたが、在任中にその生涯を閉じました。

まとめ

二見直三は、内務官僚として地方行政に深く関わり、滋賀県知事や台湾総督府警務局長といった要職を歴任しました。その後、盛岡市長としてもその手腕を発揮し、地域社会に貢献しました。彼の生涯は、日本の地方行政史において重要な一例と言えるでしょう。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
『「現代物故者事典」総索引 : 昭和元年～平成23年 1 (政治・経済・社会篇)』日外アソシエーツ株式会社、2012年。
新岩手日報社編『岩手県大鑑』新岩手日報社紀元二千六百年紀念事業部、1940年。

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