五ケ庄二子塚古墳

五ケ庄二子塚古墳

五ケ庄二子塚古墳（ごかしょうふたごづかこふん）は、宇治市五ケ庄大林に位置する重要な古墳で、別名で宇治二子塚古墳とも呼ばれています。前方後円墳の形状を持ち、宇治古墳群の一部として国の史跡にも指定されています。

古墳の概要

この古墳は、京都盆地の南東部にあり、宇治川の右岸に築かれた大規模な前方後円墳です。古墳は文献の中でも平安時代から言及されており、その歴史は非常に古いものです。
大正時代には、古墳の後円部がかなり破壊されましたが、1987年から1991年の間には詳細な発掘調査が行われ、さまざまな情報が明らかになりました。

古墳の形状

前方部は南向きで、墳丘は3段にわたって築かれています。推定される墳丘の長さは112メートルで、宇治市内では最大級の大きさを誇ります。また、墳丘の外側では葺石や円筒埴輪の列も発見されています。
墳丘のくびれ部には造出があり、西側にはその痕跡が残されています。古墳の周囲には二重の周濠が巡らされており、内濠の一部が今も残っています。周濠を含めると古墳の総長は218メートルにも達します。

埋葬施設は詳しいことは不明ですが、横穴式の石室であったとされています。出土品には円筒埴輪や形象埴輪、須恵器などが含まれています。

築造時期と文化的背景

この古墳は、古墳時代後期の6世紀初頭に築造されたと考えられています。この地域にはこの古墳より前に大型の古墳は存在せず、突如として大型古墳が登場することが特徴的です。さらに、当時の継体大王の墓とされる今城塚古墳（現在の大阪府高槻市）との類似性からも、重要な歴史的背景がうかがえます。

後世には、古墳の東に浄土宗の西方寺が建立され、この寺院内に近衛兼経の墓が存在しています。

遺跡の歴史

多くの文献に「二子墓」や「二子陵」などの名称で言及されており、その歴史の深さを物語ります。江戸時代の文献にも「丸山」として記載されるなど、地域住民にとっても重要な存在だったことが伺えます。

古墳は、1914年から1915年の間に京阪宇治線の建設の影響で後円部が破壊され、その後も数度の調査が行われています。1985年の発掘調査では周濠が発見され、1987年から1991年には本格的な発掘調査が実施され、その結果が提起されています。

2018年には、二子山古墳北墳・南墳と共に「宇治古墳群」として国の史跡に指定され、文化的価値が公式に認められました。

まとめ

五ケ庄二子塚古墳は、その壮大な規模と歴史的背景から、古墳時代の文化や社会構造を探る上で非常に重要な遺跡です。これからも更なる調査が進むことで、この古墳の持つ多様な側面が明らかにされることが期待されます。

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