五代富文

五代富文：日本の宇宙開発を牽引した工学者

五代富文（ごだい とみふみ）は、1932年9月10日生まれの日本の宇宙工学者です。宇宙政策シンクタンクである宙の会の代表幹事を務めています。

経歴

東京都立日比谷高等学校を卒業後、1957年に東京大学工学部航空学科を卒業。その後、カリフォルニア工科大学で修士号を取得し、工学博士となりました。

富士精密工業（現・SUBARU）では、観測ロケットの研究開発に従事し、その後、航空宇宙技術研究所（NAL、現JAXA）にてロケットの設計・研究・開発に携わりました。

宇宙開発事業団（NASDA、現JAXA）に転じてからは、初の国産大型ロケットであるH-IIロケットの開発を主導し、日本の大型ロケット開発の基礎を築きました。1988年に理事、1996年からは副理事長に就任し、日本の宇宙開発を推進しました。2000年10月24日にNASDAを退職。その後は、文部科学省宇宙開発委員会参与を務めました。

国内外の宇宙関連団体でも要職を歴任し、日本航空宇宙学会会長、日本ロケット協会会長、国際宇宙航行連盟（IAF）会長、アメリカ航空宇宙学会（AIAA）理事などを務めました。

五代友厚は曾祖父にあたり、妻は評論家の五代利矢子です。

業績

五代富文は、日本の宇宙開発における数々の重要なプロジェクトに貢献しました。特に、H-IIロケットの開発を主導したことは、日本の宇宙開発史における大きな功績と言えるでしょう。H-IIロケットは、それまでの日本のロケット開発の技術を結集し、国産技術のみで開発された初の大型ロケットであり、日本の宇宙開発能力を飛躍的に向上させました。また、国際宇宙航行連盟（IAF）会長を務めるなど、国際的な宇宙開発の分野でも活躍し、日本のプレゼンスを高めました。

著書

『月に行こうか、火星に行くか』（丸善出版、2006年）ISBN 9784621077382
『日中宇宙戦争』中野不二男との共著（文春新書、2004年）ISBN 9784166603619
『国産ロケットH-Ⅱ　宇宙への挑戦』（徳間書店、1994年）ISBN 9784198601003
『日本の飛翔』（丸善出版、1987年）ISBN 9784621031551

まとめ

五代富文は、日本の宇宙開発を黎明期から支え、H-IIロケットの開発を主導するなど、多大な貢献をしてきました。その功績は、日本の宇宙開発史に深く刻まれています。また、教育者としても後進の育成に尽力し、日本の宇宙開発の未来を担う人材を数多く輩出しました。日本の宇宙開発におけるパイオニアの一人として、その名は永く記憶されることでしょう。

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