五六豪雪
五六豪雪（ごろくごうせつ）
五六豪雪は、1980年の12月から1981年の3月にかけて、日本の東北地方から北近畿にかけて記録的な豪雪が発生した出来事です。この現象は、昭和56年豪雪とも呼ばれ、特に日本海側の地域で深刻な問題を引き起こしました。ここでは、この大雪の原因、影響、記録、そして具体的な事例を紹介します。
原因と背景
この豪雪は、日本海北部からオホーツク海にかけて発達した低気圧によって引き起こされました。1980年12月中旬以降、この低気圧が停滞し、強い冬型の気圧配置が続きました。その結果、日本海側では驚異的な大雪に見舞われました。加えて、この年は全国的に気温が例年よりも低く、日照時間も短く、雪が解けることなく積もり続けました。特に北陸地方では、平地でも積雪が100センチメートルを超え、山間部では300センチメートルを超え、十日町市の一部では積雪深が6メートル近くに達したとの報告もあります。
影響と被害
この豪雪は、さまざまな形で地域社会に深刻な影響を与えました。強風や着雪による送電線の切断や鉄塔の倒壊が相次ぎ、特に漁業地域では漁船の遭難も多発しました。マツダ（当時・東洋工業）は自動車を富山新港へ輸送していましたが、雪の重みのため多くの自動車が損傷し、輸送から撤退を余儀なくされました。
総計では、133人の死者、2158人の負傷者、19人の行方不明者が報告されています。また、住宅の全壊165棟、半壊301棟、床下浸水7365棟、床上浸水732棟にも及び、被害は広範囲に及びました。
記録的な降雪量
この冬の降雪量は福井市で過去の記録を上回り、622センチメートルに達しました。この数値は歴代1位に並ぶもので、1963年の596センチメートルを超えました。
以下は、各地の最深積雪記録です。
福井県での具体的な影響
1980年12月27日から29日にかけて、福井県では嶺北地方を中心に雷を伴う大雪が降り、12月中の積雪が100センチメートルを超えるのは1917年以来の出来事でした。1981年1月にかけても大雪が続き、特に1月6日から10日の間は交通網が麻痺状態になりました。また、福井県庁では雪捨て場が満杯となり、18万立方メートルの雪が処理され、隣接する建物と同じ高さに達する雪山が残りました。この雪山は「五六豪雪新山」としても知られ、6月までその姿を保っていました。
まとめ
五六豪雪は、日本海側における自然災害の一例として、その影響は今も語り継がれています。この出来事は、降雪量の変化や雪による交通網への影響など、自然環境がもたらすリスクを再認識させるものでした。
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