着雪

着雪（ちゃくせつ）について

着雪は雪が物体に付着する現象で、特に電線や列車に関して発生する雪害として知られています。主に湿った雪が気温0℃から1℃の範囲で降る場合に起こります。この時、雪が水分を多く含み、付着した物体にしっかりと付着するためです。日本では主に11月から3月にかけてこの現象が見られ、雪が物体に付着することで様々な問題が生じることがあります。

電線着雪

送電線や電話線に雪が付着すると、「電線着雪」と呼ばれる現象が発生します。これは、雪が電線に付着し、直径が10から20センチメートル程度の筒状の形状を形成します。着雪が進行することで電線が重くなり、自重や強風の影響で断線したり、電柱や送電鉄塔が倒れる危険があります。このような現象は「筒雪（つつゆき）」とも呼ばれることがあります。

また、電柱にも着雪が発生することがあり、雪が電柱の側面を滑り落ちる「雪ひも」と呼ばれる現象が見られることもあります。この現象は、雪が吹きつけられた時に起こり、電柱に雪が付着することで発生します。

列車着雪

鉄道の分野でも着雪は問題とされています。列車が走行する際に、風によって巻き上げられた雪が車体に付着したり、除雪しながら進行する際に床下に雪が付着することがあります。これらの雪が積もることで、運行に支障をきたすことがあり、特に振動や衝撃によって雪の塊が一度に落下することがあり、窓ガラスを割ったり沿線に被害を及ぼすこともあります。さらに、分岐器のレールに雪が詰まると、列車の転換ができなくなる危険性も生じます。

着雪対策

着雪の影響を軽減するためのさまざまな対策が実施されています。例えば、東海道新幹線では関ヶ原付近にスプリンクラーを設置し、降雪時に雪の舞い上がりを防止する工夫がされています。このスプリンクラーは湿った雪を対象としており、雪自体を氷にしないように設計されています。ただし、融雪対策のために水を撒くと地面が緩む危険があるため、希に速度制限を設けたり、駅での除雪作業が行われる場合もあります。

別の対策として、上越新幹線では新潟県の多量の降雪に対応するために、ボイラーを設置して温水を散布し、着雪を防ぐ方法が採用されています。また、JR北海道735系電車では、改造により走行時の空気の流れを利用して着雪を抑制する手法が取られています。

着雪発生時の対策

雪が落下することによってバラストが跳ね上がり、列車の窓ガラスを割る危険性に対しては、ポリカーボネート製のガラスを使用することで強度を高めています。さらに、分岐器に詰まった雪を取り除くために、電気融雪器やウォータージェット式除雪装置が設置され、問題解決に取り組んでいます。こうした対策により、列車の安全運行が保たれています。

関連項目

• - 着氷

以上のように、着雪は様々な形で私たちの生活に影響を与える現象であり、それに対する対策も進められています。

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