五反田JPビルディング

五反田JPビルディングは、日本郵政不動産が開発した、東京都品川区西五反田に位置する大型複合ビルです。このビルは、かつて「ゆうぽうと」として親しまれた東京簡易保険会館の跡地を再開発して建設されました。

概要

この複合施設は、オフィス、シェアオフィス、ホテル、多目的ホール、商業施設で構成されており、多様なニーズに対応できる施設となっています。ホテルは「OMO5東京五反田」として星野リゾートが運営しており、多目的ホールは品川区が区営施設「品川区立五反田産業文化施設」（CITY HALL & GALLERY GOTANDA）として運営しています。

近年、渋谷区では大規模な再開発が進み、オフィス供給が過剰になっていますが、都心5区の中でも賃料が最も高いという課題があります。特にスタートアップ企業にとっては、高額な賃料が経営の負担となるため、オフィス選びが難しい状況です。

一方、五反田は渋谷と比較してオフィス賃料が比較的安く、オフィスオーナーが個人であるケースも多いため、入居審査のハードルが低い傾向があります。また、五反田駅は新幹線が発着する品川駅に近く、羽田空港や成田空港へのアクセスも良いため、2015年頃から起業家が集まるようになり、「五反田バレー」と呼ばれるようになりました。

2018年には、当地で活動する企業6社が「一般社団法人 五反田バレー」を設立し、品川区と連携してスタートアップ企業の育成を支援しています。しかし、五反田には大規模なオフィス供給が不足していたため、広いオフィスを求めて五反田を離れる企業も見られました。

日本郵政不動産は、「地域社会への貢献」を重要課題の一つとしており、このビルを「TOKYO, NEXT CREATION」をコンセプトに、「多様な出会いと交流、新しい価値創造を促す次世代の街の拠点」として建設しました。基準階約960坪のオフィスとシェアオフィスを提供し、五反田バレーの地域活性化を支援しています。

環境への配慮も重視しており、2022年9月にはグリーンボンドを発行し、このビルの開発資金に充当しました。

建物

五反田JPビルディングは、鉄骨造（一部鉄骨鉄筋コンクリート造）の地上20階、地下3階建てで、旧ゆうぽうとの地下躯体を再利用することで、廃棄物削減やCO2排出抑制に貢献しています。Low-Eガラスの採用、再生水利用、太陽光発電など、環境負荷低減のための様々な工夫が凝らされており、建築環境総合性能評価システム（CASBEE）でSランクを取得しています。

また、事業継続計画（BCP）にも対応しており、制震構造を採用するとともに、停電時には最大72時間電力を供給できる非常用発電機を備えています。

フロア構成

1階にはフードホール「五反田食堂」、2階にはシェアオフィス「co-lab五反田 with JPRE」、3階には多目的ホール「CITY HALL & GALLERY GOTANDA」が配置されています。4階から12階はオフィスフロア、13階はオフィス部の屋上エリア、14階以上はホテル「OMO5東京五反田 by 星野リゾート」となっています。地下部分は駐車場として利用されています。

多目的ホール・ギャラリー

「CITY HALL & GALLERY GOTANDA」は、最大収容人数435人の可動席を備えたフラットフロアとなっており、会議、講演会、パーティーなど、多目的に利用できます。

沿革

2019年9月24日: 日本郵政不動産が「五反田計画」を発表。
2021年8月10日: 「五反田計画」着工、ホテル運営者を星野リゾートに決定。
2022年9月1日: 日本郵政が社債を発行し、開発資金を調達。
2022年12月13日: 「五反田計画」が上棟、シェアオフィス運営者を春蒔プロジェクト株式会社に決定。
2023年7月4日: 建物名称を「五反田JPビルディング」に決定。
2023年12月11日: 五反田JPビルディングが竣工。
2024年3月14日: フードホール名称を「五反田食堂」に決定。
2024年4月11日: ホテル「OMO5東京五反田 by 星野リゾート」が開業。
2024年4月26日: 「五反田JPビルディング」が開業。
2024年5月1日: 「CITY HALL & GALLERY GOTANDA」が開業。

交通

東急池上線 大崎広小路駅から徒歩約1分。
JR山手線、都営地下鉄浅草線、東急池上線 五反田駅から徒歩約5分。
JR山手線、JR埼京線、JR湘南新宿ライン、東京臨海高速鉄道りんかい線 大崎駅から徒歩約7分。
首都高速2号目黒線 目黒出入口から山手通り経由で約15分。


五反田JPビルディングは、地域社会の活性化に貢献するとともに、環境に配慮した次世代の複合施設として、その役割を果たしています。

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