五台山 (江原特別自治道)

五台山（オデさん）の美しさと歴史

五台山（オデさん）は、韓国の北東部、江原特別自治道に広がる山々の総称です。この山は、朝鮮半島の東部を縦貫する太白山脈の一部として知られ、また、半島を東西に貫通する車嶺山脈がここで西に分かれています。五台山の北には雪岳山や金剛山があり、これらの地域も奇岩が並ぶ自然美と古い寺院の文化的背景が特徴です。

生態系と自然美

1975年2月1日、五台山は五台山国立公園に指定され、江陵市、平昌郡、洪川郡にまたがる広大なエリアに広がっています。この公園内には、「満月台」「長嶺台」「麒麟台」「象三台」「知工台」といった五つの台があり、これらの間には主峰である毘盧峰（ビロボン）が1,563メートルの高さを誇ります。他にも虎嶺峰や象王峰、頭老峰などが1,000メートル以上の高さを持ち、ハイキングや自然観察には絶好の場所です。

五台山の北東部は「小金剛」と呼ばれる渓谷が広がり、特にハイカーに人気があります。豊かな自然と多様な生態系を見ることができ、ジャコウジカやオナガゴーラルなどの生き物が生息しています。また、五台山国立公園に含まれる湿地が「国際的に重要な湿地」としてラムサール条約に登録されています。

歴史的な寺院

五台山には新羅時代から続く月精寺（ウォルジョンサ）や上院寺（サンウォンサ）などの古刹が点在しており、これらは李氏朝鮮時代の排仏政策や文禄・慶長の役から生き残りました。伝説では、新羅の慈蔵法師が643年に唐へ渡り、中国の五台山で仏法を学び、帰国後に自身の修行した山を「五台山」と名付けたとされます。このように五台山は数々の歴史が重なり、宗教と文化が育まれた特別な場所です。

さらに、1606年には五つの史庫の一つ「五台山史庫」が設置され、朝鮮王朝実録が保管されていました。しかし、これらの建物は朝鮮戦争の際に焼失しました。その後、再建が進められ、現在も歴史的な価値を保ちながら観光名所として訪れる人々を迎え入れています。

近代の認知

2002年には国際連合が推進した国際山岳年を受け、韓国の山林庁は「100大名山」を選定し、五台山もその中に名を連ねました。このように五台山は、自然美と歴史的文化を背景にした重要な観光地として、国内外から多くの訪問者を受け入れています。山々の壮大な景観や、古刹の荘厳さを体験できる五台山での旅は、心に残る思い出となることでしょう。

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