五郎駅

五郎駅：愛ある伊予灘線の駅

五郎駅は、愛媛県大洲市五郎に位置する四国旅客鉄道（JR四国）予讃線（愛ある伊予灘線）の駅です。駅番号はS17。
かつて内子線が分岐しており、重要な役割を担っていました。

歴史

五郎駅の歴史は、1918年（大正7年）2月14日に愛媛鉄道が長浜町駅（現在の伊予長浜駅）から大洲駅（現在の伊予大洲駅）までを開通させた際に、その途中駅として開業したことから始まります。

1933年（昭和8年）10月1日には愛媛鉄道が国有化され、国鉄愛媛線となりました。当初、軌間は762mmでしたが、1935年（昭和10年）10月には1067mmに改められ、高松駅から伊予大洲駅までが予讃本線としてつながり、五郎駅も予讃本線の駅となりました。同時に、若宮信号場（伊予大洲・五郎間）から内子駅までの路線が内子線となり、五郎駅は予讃線と内子線の乗り換え駅となりました。

1986年（昭和61年）3月には、向井原駅から内子駅まで、そして新谷駅から伊予大洲駅までの新線が開通し、内子線が短絡ルートに組み込まれたため、五郎駅から新谷駅までの内子線は廃止され、乗り換え駅としての役割を終えました。

1987年（昭和62年）4月には国鉄分割民営化により四国旅客鉄道の駅となり、現在に至ります。予讃本線は1988年（昭和63年）6月に予讃線と改称されました。

年表

1918年（大正7年）2月14日：愛媛鉄道の五郎駅として開業。
1933年（昭和8年）10月1日：愛媛鉄道が国有化により国鉄愛媛線となる。
1935年（昭和10年）10月6日：下灘駅から当駅までが開通、また愛媛線全線も改軌。高松駅から伊予大洲駅までが予讃本線とされる。内子線が当駅分岐となる。
1970年（昭和45年）6月1日：貨物取扱廃止。
1984年（昭和59年）2月1日：荷物扱い廃止。
1986年（昭和61年）3月3日：向井原駅から内子駅までと新谷駅から伊予大洲駅までが開通。内子線の当駅から新谷駅までが廃止、駅員無配置駅となる。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化により四国旅客鉄道の駅となる。
1988年（昭和63年）6月1日：予讃本線が予讃線に改称。
* 2014年（平成26年）3月15日：予讃線伊予市 - 伊予長浜 - 伊予大洲間の愛称が愛ある伊予灘線となる。

駅構造

単式ホーム1面1線を有する地上駅です。かつて内子線が乗り入れていた頃は島式ホーム1面2線があり、2面3線でした。使われなくなった島式ホームは今も残っており、構内は広々としています。
木造の駅舎がありましたが、内子線廃止後に撤去され、現在はホーム上に簡素な待合所が設けられています。

利用状況と駅周辺

駅の近くには菜の花畑が広がり、毎年3月頃には一面が黄色に染まります。駅周辺は田園地帯ですが、西南1kmほどの国道56号沿いには商店などもあります。

近隣施設としては、肱川防災ステーションがあり、洪水対策の拠点としてだけでなく、肱川の歴史展示や地域住民の会議場としても利用されています。

五郎駅にまつわるエピソード

1970年代、野口五郎さんが人気絶頂だった頃、多くの女性ファンが五郎駅を訪れ、入場券が飛ぶように売れたそうです。ちなみに、野口駅は兵庫県の高砂線と別府鉄道に存在しましたが、1984年に廃止されています。

また、駅周辺には野生のタヌキが出没し、駅員がいた頃には餌付けをして「タヌキ駅長のいる駅」として知られていました。無人化後は地元有志がその活動を引き継ぎ、2014年に観光列車「伊予灘ものがたり」が運行を開始してからは、タヌキの着ぐるみを着たタヌキ駅長が列車の出迎え・見送りを行うなど、地域住民の交流の場となっています。

隣の駅

四国旅客鉄道（JR四国）

■予讃線（愛ある伊予灘線）

春賀駅 (S16) - 五郎駅 (S17) - （伊予若宮信号場） - 伊予大洲駅 (S18)

五郎駅は、その歴史と地域住民との温かい交流が魅力的な駅です。愛ある伊予灘線を訪れる際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

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