井上昭文

井上 昭文（いのうえ しょうぶん）について

井上昭文は、1927年8月22日に愛知県名古屋市で生まれた日本の俳優で、その本名でも知られています。彼は中京商業高等学校を卒業後、俳優座養成所の2期生として訓練を受けました。養成所を卒業した後は、劇団新人会を設立し、その後六芸社やグループ71に所属しながら演技を磨いてきました。

また、彼の私生活では、女優の馬場恵美子が妻であり、彼女は第1回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞した経歴を持つ方です。

来歴

井上は、名古屋から上京し、舞台に立つ一方、清水金一の付き人を務めていた時期もあります。その後、東宝でのキャリアを経て、1957年に松竹映画『蜘蛛巣城』でデビュー。その後、日活と専属契約を結び、1961年から1965年の間に多くの映画に出演しました。彼は名バイプレイヤーとして、石原裕次郎や小林旭、吉永小百合といったスターの脇を固め、日活映画の黄金期を築く一翼を担いました。

テレビでは、時代劇や刑事ドラマ、特撮作品など、多彩なキャラクターを演じました。特に、「レインボーマン」ではインドの聖者役、また「コンドールマン」ではタバ老人を演じたりしました。1982年からの『西部警察 PART-II』では、悪役から一転して刑事役を演じ、その後も多くの役柄を通じて視聴者に知られる存在となりました。彼は特に趣味としてサックス演奏をし、高校野球を観戦することが好きでした。

主な作品

井上の映画出演は非常に多岐にわたり、以下の代表作が挙げられます:

• - `蜘蛛巣城`（1957年、東宝）
• - `幕末太陽傳`（1957年、日活）
• - `花と竜`（1962年、日活）
• - `青い山脈`（1963年、日活）
• - `伊豆の踊子`（1963年、日活）
• - `天平の甍`（1980年、東宝）
• - `積木くずし`（1983年、東宝）
• - `みんなのいえ`（2001年、東宝）

テレビドラマにも多く出演し、例えば:

• - `太閤記`（1965年、NHK） - 伊達政宗
• - `水戸黄門`（1973年 - 1988年、TBS / C.A.L） - さまざまな役
• - `ハレンチ学園`（1970年 - 1971年、12ch） - 丸ゴシ先生
• - `子連れ狼`（NTV） - 朽木十内役など

彼の影響力と功績

井上昭文は、映画やテレビの両方で数多くの作品に出演し、その独特な存在感で多くの視聴者に親しまれてきました。さまざまな役を通じて、彼は演技の幅を広げ、特にバイプレイヤーとしての地位を確立しました。彼の演技は、しばしば印象的であり、特に時代劇やドラマにおける悪役や風格ある父親役を得意としました。また、苛烈な時代における人々の心の葛藤や喜びを描いた作品でも記憶に残ります。

彼は2013年1月28日に肺炎のため逝去しましたが、残された作品は今もなお多くの人々によって愛され続けています。井上昭文の多彩な演技は、彼を日本のエンターテイメント界で忘れがたい存在にしています。

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