清水金一

清水金一 - 日本のコメディ界の星

清水金一（しみず きんいち）は、1912年5月5日、山梨県甲府市に生まれる。本名は雄三であり、後に武雄としても知られる彼は、日本のコメディアン、映画俳優として多大な影響を与えた人物だ。清水は、浅草の軽演劇や戦前から戦後にかけてのトーキー初期のミュージカル・コメディにおいて、その名を広めた。愛称「シミキン」として親しまれ、彼の代表的なフレーズ「ハッタースゾ！（ハッ倒すぞ!）」や「ミッタァナクテショーガネェ（みっともなくてしょうがない）」は、今なお語り継がれている。

来歴とキャリアの始まり

清水は16歳の時に上京し、浅草オペラの一座に参加する。彼は東京音楽学校声楽科出身の清水金太郎の弟子となり、そこでコメディの根幹を学ぶ。彼のキャリアは、1935年に浅草の劇団「笑の王国」での活動から本格的に始まった。この頃、清水は堺駿二とのコンビで活躍し、瞬く間に舞台のスターとなる。

映画界への進出と困難

1940年、清水は東宝専属となり、映画界でもその名を知らしめる。デビュー作『豪傑人形』を皮切りに、次々に映画に出演。しかし、彼の相棒であった堺は直後に廃業し、清水は新たな道を模索せざるを得なかった。1942年には吉本興業と提携し、「新生喜劇座」を結成し、再び目覚ましい活躍を見せる。彼のユーモアは多くのファンを魅了したが、時には警察に目をつけられ、舞台上での自由な発言が問題視されることもあった。

戦後の躍進

1945年の敗戦後、清水は新宿第一劇場で「新生喜劇座」を再開し、翌年には「清水金一一座」と改名する。彼は戦後の映画界にも積極的に参加し、そのスタイルを生かした作品を数多く残した。しかし、時代の変化に伴い彼の芸風は徐々に人気が低迷し、スランプに陥る。1950年代にはフリーランスとして活動し、さまざまな映画に出演するも、彼のスタイルは次第に古いものとなっていった。彼は1951年に女優朝霧鏡子と結婚したが、その後離婚。

晩年と影響

1961年、自殺未遂事件を経て再起を図り、テレビ界にも進出した清水金一は、かつての栄光を取り戻そうと奮闘する。一方で、戦前に吉本興業にいた経験を生かして、吉本新喜劇に客演する機会も増えた。1966年、彼は自宅で転倒し、脳内出血により54歳で亡くなる。彼の名前は浅草寺境内にある「喜劇人の碑」に刻まれ、今もなお多くの人々に記憶されている。

まとめ

清水金一は、長いキャリアを通じて多くの人々に笑いを届けてきた。時代の波に翻弄されながらも、彼のユニークなキャラクターと明るいギャグは、日本のコメディ界において不朽の名声を持ち続けている。その生き様は、多くの後進のコメディアンたちに影響を与え、今もなお愛され続けている。

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