井伊直郡

井伊直郡（いい なおくに）は、寛保3年（1743年）に4代藩主・井伊直存の次男として江戸で誕生しました。直勝系井伊家の9代目にあたります。

幼少の頃、寛延4年（1750年）に疱瘡を患いますが、幸いにも回復。宝暦4年（1755年）7月には、父・直存より世嗣に指名され、後継者としての道を歩み始めます。

宝暦10年（1760年）9月20日、父・直存の死去に伴い、18歳で家督を継ぎ、越後与板藩の第5代藩主となりました。しかし、藩主就任からわずか3ヶ月後の12月頃に病に倒れ、容態は急速に悪化。

後継者がいない状況を憂慮し、同月25日には実弟である直朗を養嗣子とすることを決定しました。そして、翌26日に18歳という若さでこの世を去りました。藩主としての在位期間は非常に短く、その手腕を発揮する間もありませんでしたが、その若すぎる死は、与板藩の人々に深い悲しみをもたらしたことでしょう。



系譜
父: 井伊直存
母: 瑞心院（鈴木氏、側室）
* 養子: 井伊直朗（実弟）


井伊直郡は、短い生涯ではありましたが、越後与板藩の歴史にその名を刻みました。彼の早すぎる死は、藩政に少なからず影響を与えたと考えられます。

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