交響曲第1番 (スタンフォード)

交響曲第1番 変ロ長調

チャールズ・ヴィリアーズ・スタンフォードが手掛けた交響曲の一つ、交響曲第1番 変ロ長調は、作曲者の初期の重要な作品です。

概要

本作は、1876年に催された作曲コンクールへの出品作として書かれました。このコンクールにおいて、スタンフォードは準優勝という成績を収め、賞金として5ポンドを得ています。作品の初演は、1879年3月8日にロンドンのクリスタル・パレスで開催されました。曲はテノールのアーサー・コールリッジ氏に献呈されています。スタンフォードは自身の初期作品に対して非常に厳格な姿勢をとっており、この交響曲と続く交響曲第2番には作品番号を与えませんでした。

楽器編成

この交響曲は以下の楽器群のために書かれています。

• - フルート
• - オーボエ
• - クラリネット
• - トランペット
• - トロンボーン3
• - チューバ
• - ティンパニ
• - 小太鼓
• - シンバル
• - 大太鼓
• - 弦五部

演奏時間

標準的な演奏時間はおおよそ46分です。

楽曲構成

全4楽章で構成されています。

第1楽章 ラルゲット - アレグロ・ヴィヴァーチェ

ソナタ形式で書かれています。まず約5分間のゆったりとした序奏部が置かれた後、テンポがアレグロ・ヴィヴァーチェに変化します。主部では、クラリネットによって歌われる第1主題が提示されます。第2主題は序奏の素材に基づいています。展開部と再現部を経て、華やかなコーダが築かれ、楽章が力強く閉じられます。

第2楽章 スケルツォ レントラー風のテンポで

この楽章は舞曲風の性格を持ち、レントラーのようなのどかなテンポで進みます。典型的なスケルツォ楽章と同様に主部とトリオから構成されますが、ここでは2つの異なるトリオが挿入される構造となっています。軽快でリズミカルな魅力を持った楽章です。

第3楽章 アンダンテ・トランクイロ

穏やかで静寂に満ちた楽章です。弱音器を装着した弦楽器群が、優しく美しい旋律を奏でます。ホルンによって提示される主題には、作曲者のルーツであるアイルランドの民謡からの影響が感じられる部分があります。叙情的で内省的な雰囲気を持つ楽章です。

第4楽章 アレグロ・モルト

力強い同音の連打を特徴とする主題が提示され、曲が開始されます。この冒頭主題を用いたフガートを含む多様な展開を経て、楽章はクライマックスへと向かいます。最後に、全曲を締めくくるにふさわしい華々しく壮麗なコーダによって、交響曲全体が閉じられます。

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