交響曲第3番 (グラズノフ)

交響曲 第3番 ニ長調 作品33

アレクサンドル・グラズノフが1890年に作曲した「交響曲 第3番 ニ長調 作品33」は、音楽史における重要な作品の一つとして知られています。本作は、同年の12月にアナトーリー・リャードフの指揮によって初めて演奏され、1892年にはライプツィヒのベリャーエフ楽譜出版社から出版されました。また、この作品はロシアの著名な作曲家、ピョートル・チャイコフスキーに献呈されています。

作曲の背景

グラズノフの「交響曲 第3番」の初期の草稿は、1883年にまでさかのぼります。作曲当時、彼は「ロシア五人組」というグループの影響から離れ、自る自身が啓発を受けた、より普遍的（国際的）な音楽スタイルを求めていました。彼の音楽におけるこの新しい試みは、単に民族的な要素にとどまらず、幅広い音楽的表現を追求するものであり、その過程で形成された大規模な構成の作品において、重要な一歩となりました。

彼は特に、小規模な作品で探求したさまざまな音楽的なアプローチをこの交響曲に応用することで、チャイコフスキーの影響を受けつつも、独自の芸術性を打ち出しました。チャイコフスキーからの影響は明確に表れ、特に抒情的なエピソードにおいてその存在感が際立っています。実際、1924年にグラズノフはチャイコフスキーとの交流を振り返り、彼が「交響曲 第3番」を知り、賛同してくれたことや、幾度となくスケルツォ楽章をピアノで演奏するよう求められたことを語っています。彼はチャイコフスキーによって指摘された楽曲の改善点を考慮し、それ以降の創作活動に活かしていました。

楽器編成

「交響曲 第3番」の楽器編成は、多彩なオーケストレーションが特徴で、以下の楽器が使用されています：

• - フルート3（うち1はピッコロと持ち替え）
• - オーボエ2
• - クラリネット2
• - ファゴット2
• - ホルン4
• - トランペット3
• - トロンボーン3
• - チューバ1
• - ティンパニ
• - 打楽器群
• - 弦楽五部

この豊かな楽器編成により、作品はさまざまな音色やリズムが融合した、魅力的でダイナミックな音楽的表現を実現しています。

楽曲構成

「交響曲 第3番」は以下の4つの楽章に分かれています：
1. アレグロ（ニ長調）
2. スケルツォ（ヴィヴァーチェ、ヘ長調） - 特有のリズム感を持つ6/16拍子と2/8拍子が混在
3. アンダンテ（嬰ハ短調）
4. 終楽章（アレグロ・モデラート）

この構成により、各楽章は異なる感情やテンポを表現し、全体として協調の取れた一貫性を持つ作品となっています。

参考文献

本作品に関する詳細な情報は、Marina Lobanovaによる「Notes for Glazunov: Ballade; Symphony No. 3; BBC National Orchestra of Wales conducted by Tadaaki Otaka」を参照してください。

外部リンク

• - Glazunov Symphony No. 3の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト

この交響曲は、グラズノフの音楽的探求心とチャイコフスキーへの敬意が反映された、非常に重要な作品であり、今後も多くの聴衆を魅了し続けることでしょう。

もう一度検索