京丹後市立図書館

京丹後市立図書館：地域に根付く学びの場

京都府京丹後市に位置する京丹後市立図書館は、豊かな自然と歴史に囲まれた地域住民にとって欠かせない文化施設です。峰山図書館とあみの図書館を本館とし、大宮図書室、弥栄図書室、丹後図書室、久美浜図書室の4つの分室から構成されています。それぞれの館が地域に密着したサービスを提供することで、市民の学習機会の向上に貢献しています。

歴史と発展

京丹後市立図書館のルーツは、2004年4月1日、中郡峰山町、大宮町、竹野郡網野町、丹後町、弥栄町、熊野郡久美浜町の6町が合併して京丹後市が発足したことに遡ります。それ以前から、各町には独自の図書館や図書室が存在しており、合併後、これらの施設を統合し、2008年7月には図書館システムの統合が完了しました。

その後も、図書館の機能向上や利用者サービスの充実を目指し、様々な取り組みが行われています。2018年2月には市図書館協議会が、峰山図書館、大宮図書室、弥栄図書室の統合整備と、丹後図書室、久美浜図書室の機能維持・整備を京丹後市に答申。この答申に基づき、2019年8月には久美浜図書室が京丹後市久美浜庁舎1階に移転、2020年10月には丹後図書室が京丹後市丹後庁舎3階に移転するなど、近代的な施設への改修が進められています。

各館の特徴

峰山図書館は、1952年の開館以来、地域の学習拠点として長く親しまれてきました。京都府丹後文化会館に隣接しており、丹後の歴史や北丹後地震に関する貴重な資料を数多く所蔵しています。また、子どもの読書活動を推進する様々な取り組みを実施しています。郷土史家・永浜宇平氏による資料コレクション「永浜文庫」も所蔵するなど、地域文化の保存にも貢献しています。

あみの図書館は、地域住民による草の根の運動から生まれた図書館です。丹後ちりめんを内装に用いるなど、地域性を活かした設計となっています。AV資料やインターネット閲覧コーナーも備え、幅広い情報提供を行っています。

大宮図書室は、ボランティアによる読み聞かせ会などが定期的に開催され、地域住民との交流を深めています。「平井嘉一郎文庫」や「谷口謙文庫」といった、地元ゆかりの人物に関連する貴重なコレクションも所蔵しています。

弥栄図書室は、乳幼児向けのおはなし会や児童向けの読み聞かせ会など、年齢層に合わせたイベントを開催し、子どもの読書活動を積極的に支援しています。

丹後図書室は、2020年10月の移転により、日本海を望む絶景を眺めながら読書を楽しめるようになりました。絵本作家・梅田俊作氏の原画展なども開催するなど、地域に開かれた図書館として進化を続けています。「豊淑文庫」は、地元出身の毎日新聞西部本社代表を務めた藤原勘治氏からの寄付により設立されたものです。

久美浜図書室は、移転によりバリアフリー設計が導入され、車椅子やベビーカー利用者にも使いやすい空間となっています。夏休み期間中の開館時間延長など、子どもの読書支援に力を入れています。

相互利用と連携

京丹後市立図書館は、京都府北部地域連携都市圏（京都府北部7市町）および兵庫県豊岡市と図書館相互利用に関する協定を締結しています。2018年4月からは、これらの地域住民は、それぞれの図書館の蔵書を自由に利用できるようになり、地域間の連携強化に貢献しています。

まとめ

京丹後市立図書館は、地域住民の学習・文化活動の向上に貢献する、かけがえのない存在です。今後も、地域ニーズに応じたサービス提供や、施設の充実を図りながら、地域文化の発展に寄与していくことが期待されます。

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