京城神社

京城神社の概要

京城神社は、かつて朝鮮半島、現在のソウル特別市に位置していた神社です。具体的には、南山の北麓に社殿が設けられていました。この神社は、天照大神、朝鮮国魂大神、大己貴命、少彦名命を祭神としており、京城府に住む人々の氏神として信仰を集めていました。社格は国幣小社でした。

南山には、京城神社の他に朝鮮神宮や京城護国神社も存在していました。

京城神社の歴史

京城神社の歴史は、1892年（明治25年）頃に、漢城（後の京城、現在のソウル）に住む日本人有志が天照大神を祀る遙拝所を設けたことに始まります。

日清戦争後の1897年（明治30年）、在漢城日本領事と朝鮮政府との間で、南山北麓の一部に関する永代借地契約が締結されました。これを受け、居留地会は、その場所を「倭城台公園」と名付け、整備を進めました。そして、伊勢神宮内宮正殿を模した神殿を建設し、1898年（明治31年）11月3日、天照大神を祭神として鎮座式を行い、「南山大神宮」が創立されました。

その後、1915年（大正4年）10月1日に神社寺院規則が施行されたことを受け、1916年（大正5年）8月22日、改めて京城神社の創立が許可されました。1926年（大正15年）3月には、氏子総代会の決議により、境内の拡張と社殿の造営が計画され、1929年（昭和4年）9月25日、社殿の完成と同時に、国土開発の始祖とされる国魂大神、大己貴命、少彦名命が新たに祀られました。

1936年（昭和11年）8月1日、京城神社は国幣小社に列格されました。これに伴い、大規模な社殿改築と境内拡張が検討されましたが、時局の影響で資材の入手が困難となり、着工には至りませんでした。第二次世界大戦での日本の敗戦に伴い、1945年（昭和20年）11月17日に京城神社は廃止されました。

京城神社の跡地は、一時的に「檀君聖祖廟」として利用された後、現在は崇義女子大学の敷地となっています。

参考文献

「京城神社由緒記」、市秋弘（京城神社宮司）、1932年
「京城神社の恒例大祭」、市秋弘、1937年
「京城神社奉仕事務摘要」、市秋弘、1943年

関連項目

近代社格制度
* 檀君

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