京成電鉄タクシーホールディングス

京成電鉄タクシーホールディングス株式会社

京成電鉄タクシーホールディングス株式会社（Keisei Electric Railway Taxi Holdings Co.,Ltd.）は、東京都中央区に本社を構える、京成グループに属する中間持株会社です。親会社である京成電鉄株式会社の完全子会社として、グループ全体のタクシー事業を統括する役割を担っています。

概要と歴史

京成電鉄タクシーホールディングスは、元々千葉県や茨城県に点在していた京成電鉄直轄のタクシーグループ会社を再編し、その管理体制を強化する目的で設立されました。2019年3月1日、「京成タクシーホールディングス株式会社」として発足。この設立により、帝都自動車交通グループや小湊鉄道グループ、関東鉄道グループ、オリエンタルランドグループに属さない京成グループのタクシー事業者が一元的に統括されることとなりました。設立当初は千葉交通グループだった「千葉交タクシー成田」（後の京成タクシー成田）なども傘下に加わっています。

その後も組織変更は進められ、2020年3月1日には同じ京成グループの帝都自動車交通から「帝都あたごタクシー」が移管され、「京成タクシーあたご」として傘下入りしました。そして、2025年3月1日には大規模な再編が実施されます。

この再編では、まず社名が現在の「京成電鉄タクシーホールディングス株式会社」へ変更されました。同時に、従来は京成電鉄の直接子会社であった「帝都自動車交通」が新たに当社の傘下に入ります。また、京成電鉄とオリエンタルランドの合弁会社であった「舞浜リゾートキャブ」も、当社の傘下事業会社の営業所として再編されました。一方で、当社傘下にあった茨城県内のグループ会社は、関東鉄道グループのタクシー事業者とともに「京成電鉄茨城ホールディングス」へ移管されています。

さらに、この再編に合わせて、千葉県内の傘下タクシー事業者が地域ごとに集約されました。東葛区域の4社は京成タクシーウエスト株式会社に、京葉区域4社と千葉区域1社は京成タクシーセントラル株式会社に、北総区域2社と南房区域1社は京成タクシーイースト株式会社にそれぞれ統合・再編されています。

車両デザイン

京成電鉄タクシーホールディングスの傘下事業者が運行するタクシー車両は、一部を除いて共通の外装デザインが採用されています。これは事業再編前の2014年から導入されているものです。

主な特徴は以下の通りです。

丸い形の行灯に、縦書きで「京成」の文字が入っています。
車体側面の表記は、東京四社営業委員会に加盟する会社やその提携事業者のカラーリングと類似したデザインが使われています。
車体色は、ジャパンタクシーのような深藍や黒が基本ですが、一部エリアでは白色の車両も運行されています。

ただし、2025年の再編により傘下となった事業者には例外も見られます。

帝都自動車交通および同社グループの車両は、傘下入り後も東京四社に準じた従来の表記が継続されています。
京成タクシーセントラルが引き継いだ旧舞浜リゾートキャブの車両は、再編後も「舞浜リゾートキャブ」のブランドを使い続けており、社名表記は「京成タクシー」と舞浜リゾートキャブのロゴの併用となり、行灯も従来のままです。

傘下事業者（2025年3月1日以降）

前述の通り、2025年3月1日以降、千葉県内の直轄タクシー事業は以下の3社に集約されています。いずれも京成電鉄タクシーホールディングスの完全子会社です。

京成タクシーウエスト株式会社

千葉県松戸市に本社を置くタクシー事業者です。東葛交通圏を主な営業区域としています。2025年3月1日に、京成タクシー松戸東が、京成タクシー松戸西、京成タクシー東葛、京成タクシーあたごを合併して発足しました。これにより、京成電鉄タクシーホールディングス傘下の事業者としては唯一、単一の交通圏を基盤とする会社となりました。

京成タクシーセントラル株式会社

千葉県船橋市に本社を置くタクシー事業者です。京葉区域や千葉区域を主な営業区域としています。2025年3月1日に、京成タクシー市川が、京成タクシー船橋、京成タクシー習志野、京成タクシー千葉、舞浜リゾートキャブを合併して発足しました。本社機能は旧京成タクシー船橋の所在地に置かれています。タクシー事業に加え、習志野営業所では習志野市のコミュニティバス「東習志野・実籾地域バス（愛称：ナラシド♪バス）」を運行するなど、乗合バス事業も行っています。

京成タクシーイースト株式会社

千葉県成田市に本社を置くタクシー事業者です。北総区域や南房区域を主な営業区域としています。2025年3月1日に、京成タクシー成田が、京成タクシー佐倉、京成タクシーかずさを合併して発足しました。タクシー事業に加え、銚子や成田の営業所では、旧千葉交通時代から続く乗合バス事業「ちばこうバス」を運営しています。銚子駅を起点とする市内路線や、成田営業所管轄の安食竜角寺線、佐倉営業所管轄の八幡台循環線などを運行しており、使用されるバス車両は京成グループ内他社からの移籍車が多く見られます。

主な沿革

2019年3月1日 - 京成タクシーホールディングス株式会社設立。京成電鉄直系15社など計16社を12社に再編し傘下化。
2019年12月16日 - 傘下各社などでキャッシュレス決済対応を順次開始。
2020年3月1日 - 帝都あたごタクシーが傘下に移り、京成タクシーあたごに改称。
2021年9月10日 - 新京成線（現・京成松戸線）元山駅にグループ初の鉄道駅呼び出し専用電話を設置。
2022年3月21日 - 京成タクシー東葛（旧我孫子交通）が朝日自動車（東武グループ）から野田営業所を譲受。
2022年7月21日 - 京成タクシー東葛野田営業所が京成タクシーあたごに統合。
2025年3月1日 - 京成電鉄タクシーホールディングス株式会社に商号変更。帝都自動車交通、舞浜リゾートキャブ、京成オートサービスを傘下に加え、千葉県内のタクシー事業者を京成タクシーウエスト、京成タクシーセントラル、京成タクシーイーストの3社に再編。茨城県内のタクシー事業者を京成電鉄茨城ホールディングスに移管。

京成グループ内の他タクシー事業者

京成グループには、京成電鉄タクシーホールディングスの傘下ではないタクシー事業者も存在します。例として、帝都自動車交通グループの一部や小湊鉄道グループ、関東鉄道グループのタクシー会社などが挙げられます。

関連情報

京成グループでは、タクシー事業のほかバス事業も展開しており、バス事業を統括する中間持株会社として京成電鉄バスホールディングス株式会社があります。また、過去には再編や譲渡によりグループから離れたタクシー会社（北総交通、新京成タクシー、館山中央交通など）も存在しました。

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