京成3700形電車

京成3700形電車の概要

京成3700形電車は、1991年3月19日に運用を開始した京成電鉄の通勤形電車です。この車両は成田空港ターミナルへの直通運転に対応し、また北総開発鉄道の北総・公団線の開通に伴い導入されました。3700形は、京成電鉄の新規製造通勤車両として初めてVVVFインバータ制御を採用し、直通運転先の都営地下鉄浅草線や京浜急行電鉄各線への接続も可能となっています。

3700形の車両は、3600形電車と同様に、編成ごとにナンバーが付されており、第1編成3701から3708まで、第2編成3711から3718までがあります。8両編成と6両編成が製造され、これにより合計132両が製造されていますが、2024年現在では92両が在籍しています。

設計と特色

本形式の設計は、「メンテナンスの容易化」、「省エネルギー化」、「乗り心地の向上」、「旅客サービスの向上」をテーマにされています。また、京成ではクハ、サハ、モハといった呼称を用いず、番号のみで識別されるようになりました。

車両の外装は軽量のステンレス製で、異なる仕上げ方法を施した部分によりデザインにバリエーションが見られます。前部は中央が「く」の字に折れた独特のスタイルとなっており、視認性を高めるために前面ガラスの大型化や非常用貫通扉が一体化されています。

側窓はすべて2連窓で構成され、従来よりも扉位置が中央寄りになったことから、内部の座席配置に変化が見られます。この外観デザインは、後の車両にも受け継がれており、ヒューマンレッドとフューチャーブルーの車体帯色が特徴です。

車内の設備

室内はアイボリーホワイト模様の化粧板を使用し、座席は濃いピンク色でデザインされています。また、優先席は水色に示されており、つり革は全車両に取り付けられています。新たに導入されたラインデリアにより、天井の構造も平滑化され、開閉可能な側窓が設けられています。

ドアチャイムについては準備工事のみでしたが、LED式の車内案内表示器も設置され、利便性の向上が図られています。

システムと装置

3700形の制御装置は、GTOサイリスタ素子を使用し、VVVFインバータ制御が採用されています。このため、走行性能も格段に向上し、乗客の快適性が追求されています。冷房装置は、集約分散式であり、各車両に2基ずつ搭載されています。さらに、パンタグラフは下枠交差式とシングルアーム式が使用されており、7260形にも引き継がれています。

駆動装置はTD平行カルダンとWN平行カルダンの2種類が使用され、主電動機の出力は130kWに設計されています。これにより、起動加速度が向上し、快適な乗り心地を実現しています。

運用と改造

本形式は主に京成本線や押上線、都営浅草線、京急線直通の優等運用で使用され、成田スカイアクセス線にも対応しています。徐々に車両のリースや改造が行われており、例えば、北総鉄道へのリースでは7808編成などが運行されています。

また、3700形のリニューアルが行われ、車内設備や外装の更新が進められています。2021年には3748編成の6両化改造が実施され、より一層の運用効率が期待されています。

まとめ

京成3700形電車は、現代的な設計と高性能な制御装置を取り入れた通勤形電車であり、頻繁に見られる運用の中でも多彩な改造やリースが施され、鉄道利用者に快適な移動手段を提供しています。

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