京極高和

京極高和：龍野・丸亀藩主の生涯

京極高和は、江戸時代前期に活躍した大名です。播磨国龍野藩主を経て、讃岐国丸亀藩の初代藩主として知られています。丸亀藩京極家においては3代当主にあたり、その生涯は数々の出来事と謎に彩られています。

出自と龍野藩

京極高和は、前藩主である京極忠高の弟・安毛高政を父として生まれました。寛永8年（1631年）に叙任され、その後、寛永14年（1637年）に伯父にあたる京極忠高の死を機に、その養子となりました。しかし、その際、松江26万石の領地は播磨龍野藩6万石へと減封されています。この養子相続については異説も存在しており、忠高が側室との間に儲けた男子を、正室とその実家の徳川将軍家を憚り「甥」として届け出たという説が伝わっています。

丸亀藩への移封と治世

万治元年（1658年）、高和は近江源氏の同族である山崎治頼の後を継ぎ、讃岐丸亀藩6万石に移封されました。丸亀藩主として、高和は領地経営に尽力する一方、文化面でも貢献を残しています。万治3年（1660年）、讃岐で広く信仰されていた金毘羅大権現を江戸三田の藩邸に勧請しました。これは、江戸の町民からの参拝希望に応えるもので、毎月10日には邸内を開放して参拝を許しました。この勧請は、現在も虎ノ門金刀比羅宮としてその歴史を繋いでいます。また、同年に丸亀城天守閣を完成させるなど、城郭整備にも力を注いでいました。

家族と晩年

高和の正室は藤堂高次の娘である藤堂市子、側室には林房子、熊谷氏らがいました。正室との間に阿久里という娘と早世した長男・小法師をもうけました。側室房子との間には次男・高豊が、熊谷氏との間には宮子が誕生しています。さらに、生母不明の娘、熊子もいました。高豊は後に高和の後を継いでいます。養子として迎えた京極高房は、家老多賀常良と京極忠高の娘との間に生まれた子で、5歳で高和の養嗣子となりましたが、高豊誕生により廃嫡されています。高豊の相続後、3千石の分知を受けて別家を興しています。高和は寛文2年（1662年）、京都で44歳の若さで亡くなりました。

系譜と参考文献

高和の系譜は複雑で、養子縁組や側室の存在がその複雑さを際立たせています。彼の生涯は、大名としての政治手腕だけでなく、信仰や文化への関与も示しており、多角的な視点からの研究が必要でしょう。

系譜

父：安毛高政
母：本庄氏
養父：京極忠高
正室：藤堂市子
側室：林房子、熊谷氏
男子：小法師、京極高豊、京極高房（養子）
女子：阿久里、熊子、宮子

参考文献

『西讃府史』

以上のように、京極高和の生涯は、大名としての政治的役割、宗教的活動、そして複雑な家族関係など、多様な側面から考察できる興味深いものです。今後の研究により、さらに詳細な情報が明らかになることが期待されます。

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