京浜急行バス逗子営業所

京浜急行バス逗子営業所について

京浜急行バス逗子営業所は、神奈川県逗子市に位置しており、主にJR横須賀線の逗子駅を発着点とするバスの管轄を担っています。この営業所は逗子駅のすぐそばに位置し、付近には京急逗子線の逗子・葉山駅南口近くに第2車庫があります。その営業所記号は「D」で、2007年12月からはPASMOも利用可能となり、交通の利便性が向上しました。

誕生の背景と沿革

逗子市と葉山町の交通は、1869年に横須賀駅まで開通した官鉄横須賀線を基に整備されてきました。近代的な陸上交通に向けた改革が進む中で、1889年には初めての乗合馬車路線が開通し、1912年には逗子自動車が最初の乗合自動車の運行を開始しました。報じられているところによれば、逗子自動車の初期路線は逗子駅を起点とし、葉山御用邸を経由して長者ヶ崎に至るものでした。

その後も、逗子と周辺地域を結ぶ多くのバス事業者が設立され、1917年には長井自動車が運行を始めました。これは、逗子を拠点とした数社の合弁事業から出発しています。1921年には、三崎を起点とする臨海自動車も設立され、逗子と三崎の間の便が開通しました。これにより、逗子市の交通網は徐々に拡充されていきました。

1930年、湘南電気鉄道逗子線の開通が、地域のバス事業者の再編成を促し、京浜電気鉄道が複数の乗合バス会社を買収することになりました。その中で、湘南半島の交通網はより一貫性を持つようになりました。1938年には、湘南半島自動車が設立され、これが後の逗子営業所の前身となります。

葉山観光バスの設立と統合

1948年、大東急が解体されると、逗子営業所は京浜急行電鉄の一部になりました。この時、一部の地元有力者は、京浜急行に対抗する形で新たな地場資本のバス会社を設立しようとする動きがありました。それを受けて、1949年には葉山観光自動車が設立され、当初は電気自動車を使用して営業を開始しましたが、経営状態が悪化し、1950年に京浜急行の傘下に入ることになりました。

その後、1954年に葉山観光自動車は三浦交通株式会社と改称され、1960年代には逗子市を中心とした道路網のさらなる発展が見られました。しかし、1970年代になると資本の引き揚げや経営不振が相次ぎ、最終的に京急に事業が統合されました。これにより、逗子営業所が現在のように多様な路線を運営できる土台が築かれたのです。

現在の運行路線

現在、逗子営業所は長井線をはじめとする多彩な路線を運行しています。長井線は逗子駅から長柄橋や葉山、横須賀市民病院等を経由し、地域の重要な交通手段となっています。他にも、海岸線、湘南国際村線、田浦線など、逗子ー葉山を結ぶバス路線が多くあり、特に県道311号や国道134号を走行するバスは通学や観光に利用されています。

また、逗子営業所では、逗子駅を中心とした通勤輸送や、地域の子どもたちの通学にも重要な役割を果たしています。逗11系統や逗12系統は、特に観光シーズンには混雑し、利用者のニーズに応じたダイヤの見直しも行われています。

全体として、京浜急行バス逗子営業所は地域の交通を支える重要な拠点であり、逗子市とその周辺の発展に寄与してきた歴史を持っています。今後も新たな路線の拡充や改善が求められる中、その役割はますます重要になっていくことでしょう。

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