京町 (名古屋市)

京町（きょうまち）

京町は、愛知県名古屋市中区に存在した地名です。その歴史は古く、江戸時代には薬種問屋街として名を馳せました。

歴史

京町は、1855年（安政2年）の大火をきっかけに、薬を商う人々が集まり、発展したと伝えられています。その規模は、大阪の道修町と比較されるほどで、一大薬種問屋街として繁栄しました。

町名の由来

町名の由来は、清洲時代に遡ります。当時、田畑であったこの地域に、京都から呉服、細物、太物などを扱う商人が移り住んだことが、その名の起こりであるとされています。この商人の移住が、京町という名称の基盤となりました。

沿革

京町の沿革は、以下の通りです。

1872年（明治5年）3月：周辺の諸町を編入し、両替町と改称されました。
1878年（明治11年）12月20日：京町に名称が戻されました。
1889年（明治22年）10月1日：名古屋市が成立し、同市京町となりました。
1908年（明治41年）4月1日：東区成立に伴い、同区京町となりました。
1944年（昭和19年）2月11日：栄区成立に伴い、同区京町となりました。
1945年（昭和20年）11月3日：栄区廃止に伴い、中区京町となりました。
1966年（昭和41年）3月30日：住居表示の実施に伴い、丸の内三丁目に編入され、京町としての歴史を終えました。

参考文献

福岡清彦『中区の町名』名古屋市中区役所、1976年。
名古屋市計画局『なごやの町名』名古屋市計画局、1992年3月31日。

関連項目

名古屋市の地名

このように、京町は歴史の中で様々な変遷を経験し、名古屋の発展に貢献した地域でした。薬種問屋街としての賑わいは、かつての名古屋の経済を支える重要な要素でした。現在ではその名前は地図上から消えましたが、その歴史は今もなお語り継がれています。

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