京福リムジンバス

京福リムジンバス株式会社：石川県を舞台に活躍したバス事業者

京福リムジンバス株式会社は、石川県加賀市に本社を置くバス会社でした。京福電気鉄道を親会社とする京福バスの子会社として、路線バスと貸切バスの運行を担っていました。2004年の設立以来、石川県内における貸切バス事業の拡大に貢献し、京福グループにおいて同県を運行エリアとする唯一の事業者として重要な役割を果たしました。

事業内容と沿革

京福リムジンバスは、主に以下の事業を展開していました。

路線バス事業

小松空港連絡バス: 福井駅と小松空港を結ぶ重要な交通手段として、多くの利用者に支持されていました。福井鉄道との共同運行を経て、京福リムジンバス単独運行となりました。
永平寺ライナー: 福井駅と永平寺門前を結ぶ観光特急バスとして、多くの観光客に利用されていました。かつては「永平寺特急」として運行されており、その歴史は京福電気鉄道越前本線列車事故後の運行再開にまで遡ります。
永平寺おでかけ号: 片山津温泉、加賀温泉駅、山代温泉、山中温泉と永平寺を結ぶ季節運行の路線バスで、後に通年運行の一般路線バスとなりました。宿泊客向けの予約制となっており、温泉地と永平寺を巡る観光客に便利さを提供していました。
丸岡深夜バス: 福井駅と丸岡バスターミナルを結ぶ深夜バスで、帰宅手段の確保や飲酒運転防止に貢献していました。金曜夜と年末年始を除き運行されていました。

貸切バス事業

貸切バス事業においても、京福グループ内で石川県を主な営業エリアとして展開していました。観光客輸送や企業輸送など、様々なニーズに対応していました。

過去の事業

* マルキュー・シャトル: 金沢駅とKOHRINBO109（現：香林坊東急スクエア）を結ぶ無料送迎バスを土日祝日に運行していました。

京福リムジンバスは、2006年には京福バスから小松空港連絡バスと永平寺特急バス（現・永平寺ライナー）の運行を譲り受け、事業を拡大しました。しかし、2022年4月1日、京福バスに吸収合併され、会社は解散しました。運行していた路線は京福バスが引き継ぎ、現在も運行を継続しています。

事業所の概要

京福リムジンバスは、本社と丸岡営業所の2つの事業所を擁していました。本社は石川県加賀市にあり、貸切バスの管轄業務を担っていました。丸岡営業所は福井県坂井市にあり、路線バスの管轄業務を担っていました。2020年には、本社を同一町内へ移転させています。丸岡営業所は丸岡バスターミナルと京福バス丸岡営業所と併設されていました。

保有車両

2018年時点では、路線バスと貸切バス合わせて18台の車両を保有していました。その多くは京福バスからの移籍車や他社からの移籍車でしたが、自社発注車も存在していました。三菱ふそう、日野自動車、いすゞの車両が中心でした。

コロナ禍の影響

2020年の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、小松空港連絡バス、永平寺ライナー、永平寺おでかけ号、丸岡深夜バスなど、すべての路線バスが一時的に全面運休となりました。その後、段階的に運行を再開しましたが、丸岡深夜バスは2020年9月30日をもって運行を終了しました。

まとめ

京福リムジンバスは、石川県における交通の重要な担い手として、地域社会に貢献してきました。その歴史は、2022年の吸収合併をもって終わりを迎えましたが、運行していた路線は京福バスによって引き継がれ、現在も人々の生活を支えています。小松空港連絡バスや永平寺ライナー、永平寺おでかけ号、そして丸岡深夜バスなど、それぞれの路線が持つ特色や歴史は、地域社会の記憶として長く残ることでしょう。

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