京都マラソン

京都マラソン：古都を駆け抜ける市民マラソン

京都マラソンは、京都市で毎年開催される大規模な市民参加型マラソン大会です。2012年に第1回大会が開催され、国内外から多くのランナーが集まります。この大会は、単なるスポーツイベントとしてだけでなく、京都の美しい景観や文化に触れることができる観光イベントとしての側面も持ち合わせています。

大会の沿革

現在の京都マラソンは、2012年に始まった比較的新しい大会ですが、そのルーツは1969年から1982年まで開催されていた同名のマラソン大会に遡ります。この古い大会は、新人ランナーの育成を目的としており、瀬古利彦選手がマラソンに初挑戦した舞台としても知られています。1982年に大会は発展的に解消され、その後、皇后盃全国都道府県対抗女子駅伝競走大会へと引き継がれました。

そして、2011年、30年の時を経て「京都マラソン」の名が復活。新たな市民参加型マラソンとして、再び京都の地で開催されることになりました。

大会の概要

現在の京都マラソンは、1万6000人もの参加者を集める大規模な大会です。制限時間は6時間で、マラソン、ペア駅伝、車いす競技の3部門が実施されます。マラソンの距離は42.195km、ペア駅伝はわずかに長い42.28km、車いす競技は6.1kmとなっています。

コースは、京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場をスタートし、平安神宮をフィニッシュとする、京都の名所を巡るコースです。渡月橋や大覚寺、仁和寺、上賀茂神社など、歴史的な建造物や美しい自然の中を駆け抜けることができます。

参加資格は、開催年度の4月1日現在で満18歳以上であり、5時間40分以内に完走できる男女です。参加料は年々変動しており、第9回以降は15,000円（海外選手は17,000円）、ペア駅伝は25,000円となっています。

大会では仮装が禁止されており、顔とゼッケンがはっきりと見えるようにする必要があります。

コースの変遷

2015年以降、コースは以下のように変更されました。

スタート：京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場
フィニッシュ：平安神宮
* 主な経由地：五条通、葛野大路通、松尾橋東詰、桂川左岸、渡月橋付近、大覚寺付近、広沢池、一条通、仁和寺、西大路通、北大路通、船岡山付近、上賀茂神社付近、西賀茂橋（折り返し）、北山通、宝ヶ池付近（折り返し）、松ヶ崎橋西詰（折り返し）、洛北高校西側（折り返し）、京都府立植物園（園内）、賀茂川右岸、丸太町通、京都御苑南側（折り返し）、京都市役所（折り返し）、白川今出川（折り返し）、東大路通

以前のコースと比較すると、植物園内を通過するようになったり、賀茂川のルートが変更されたりしています。

大会の問題点

京都マラソンは、その人気と規模の大きさゆえに、いくつかの問題点も抱えています。第1回大会では2億3000万円以上の赤字が発生し、その不足分が公金で賄われたことが批判を浴びました。そのため、第2回からは参加費の値上げや、寄付金を募ることで抽選なしで出場できる「チャリティーランナー」制度が導入されました。しかし、この名称が本来のチャリティーの意味合いと異なるという指摘を受け、現在は「ふるさと納税枠」として、京都市スポーツ振興基金への寄付を募る形に変更されています。

また、長時間の交通規制により、京都市営バスの多くの路線が運休や経路変更の対象となり、市民生活に影響が出ています。特に、西賀茂営業所や梅津営業所などのバス営業所が孤立し、使用できなくなるという問題も発生しています。

テレビ中継

京都マラソンの模様は、KBS京都でスタートとフィニッシュの様子がテレビ中継されます。また、KBS京都と毎日放送が特別番組を制作し、CS放送やネット配信も行われます。

その他の情報

京都マラソンは、京都シティハーフマラソンと統合された大会です。また、全国都道府県対抗女子駅伝や全国高校駅伝と並び、京都三大ロードレースの一つに数えられています。近年、近畿地方では、奈良マラソン、大阪マラソン、神戸マラソンなど、都市型市民参加型マラソンが数多く開催されています。

京都マラソンは、走るだけでなく、京都の文化や歴史に触れることができる魅力的な大会です。ぜひ一度、参加してみてはいかがでしょうか。

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