京都見廻役

京都見廻役：幕末の京都の治安維持を担った役職

京都見廻役は、幕末の京都において、治安維持のために江戸幕府が設置した役職です。元治元年（1864年）に設置され、初代には浅尾藩主の蒔田広孝と旗本の松平康正が任命されました。

役職の概要

設置: 元治元年4月26日（1864年5月21日）
初代: 蒔田広孝（浅尾藩主）、松平康正（旗本）
役高: 5000石
役料: 3000俵
席次: 大番頭次席

見廻役は、配下に見廻組を置き、京都の治安維持活動を行いました。見廻組には与頭（場所高300俵・御書院番次席）と見廻組勤方（場所高200俵・大番次席）がおり、その下に幕臣の次男・三男ら約200名からなる京都見廻組がいました。

蒔田と松平はそれぞれ配下の組を持ち、それぞれの官職名から相模守組（蒔田）と出雲守組（松平）と称されました。各組は約200名の隊士を指揮し、隊長である与頭は旗本、隊員は御家人で構成されていました。

主な役割

京都における治安維持
不逞浪士の取り締まり
要人警護

組織構成

見廻役: 役職の長。蒔田広孝、松平康正らが歴任。
与頭: 見廻組の隊長。旗本が任命された。
見廻組勤方: 見廻組の役職。
見廻組: 約200名の隊士で構成。御家人が中心。

活動と終焉

京都見廻役は、京都の治安維持に尽力しましたが、大政奉還後に徳川慶喜が二条城から大坂城に移る際、見廻役以下もその護衛として大坂へ向かい、そのまま自然消滅しました。

関連人物

小出英尚: 見廻役として九条夙子の御殿准后殿を守護

関連項目

禁裏御守衛総督

京都見廻役は、幕末の動乱期において、京都の治安維持という重要な役割を担いました。しかし、時代の流れには逆らえず、大政奉還とともにその役割を終えることとなりました。

もう一度検索