人間噂八百

「人間噂八百」：芸能界の噂話を軽妙に描く未完の傑作

足立淳氏による漫画作品「人間噂八百」は、2007年1月16日に創刊された無料漫画雑誌「コミック・ガンボ」にて週刊連載されました。しかし、同誌の休刊により、全46話で未完の作品となってしまいました。連載時の話数の単位は「ガセのn」という独特のものでした。

「コミック・ガンボ」において唯一、休むことなく週刊連載を続けていた作品だったという「人間噂八百」。その人気は、休刊後も衰えることなく、2008年5月23日には、雑誌未掲載の5話を含めた単行本が産経新聞出版より発売されました。単行本化によって、より多くの読者がこの作品に触れる機会を得たと言えるでしょう。

作品の概要：4コマ漫画で綴る芸能界の噂話

毎回「人間…　それは野に咲く彼岸花」という印象的な言葉から始まる本作は、様々な有名人の噂や裏話を、軽快な4コマ漫画形式で紹介していくというユニークな構成が特徴です。彩野華羅と中野という二人の女性キャラクターを中心に物語は展開し、華羅が噂話を語り、中野がツッコミを入れるというテンポの良い掛け合いが作品全体を盛り上げています。

登場人物：個性豊かな二人の女性

彩野華羅: 本作の語り部的な役割を担う女性キャラクター。黒髪の長髪をおかっぱ風にアレンジし、常に和服姿で登場します。彼女が語る噂話は、作中で実際に起きた出来事や遭遇談に基づいている場合も多く、そのリアルな描写が読者の興味を引きます。

中野: 華羅のアシスタントを務める女性。ショートカットが特徴的で、初期の頃はチャイナドレスを着用していました。華羅の和服姿とは対照的なファッションセンスも魅力の一つです。実は、作者の同人誌作品にも登場するキャラクターで、作品の世界観を長く支えています。

登場する有名人：幅広い世代の著名人が登場

「人間噂八百」には、幅広い世代の著名人が登場します。連載分では1話から46話まで、単行本では47話から51話までが掲載され、さらに52話以降は作者のサイトで公開されています。作品に登場する有名人の数は膨大で、その多様さも本作の魅力の一つです。以下に、一部の例を挙げます。

丹波哲郎
長島茂雄
ジャイアント馬場
谷村新司
徳大寺有恒
落合博満
宇多田ヒカル
大島渚
青島幸男
中森明菜
新庄剛志
輪島大士
広末涼子
手塚治虫
大橋巨泉
デーモン小暮閣下
高田純次
井上陽水
江川卓
斉藤由貴
佐野史郎
黒柳徹子
掛布雅之
影山ヒロノブ
森本レオ
中川翔子
坂本龍一
菊池桃子
稲川淳二
江戸川乱歩
コロッケ
伊武雅刀
中島みゆき
小松政夫
田原俊彦
大林宣彦
松本伊代
阿久悠
高見沢俊彦
日髙のり子
大槻ケンヂ
萩原流行
ルー大柴
吉幾三
横溝正史
大友康平
笑福亭鶴光
水谷豊
和田アキ子
三谷幸喜
南野陽子
遠藤賢司
堺正章
Perfume

これらの有名人を取り巻く噂話や裏話が、軽妙なタッチで描かれることで、作品に独特の面白さが生まれています。

未完の物語：多くの読者を魅了し続ける作品

「人間噂八百」は、残念ながら未完の作品となってしまいましたが、その魅力は多くの読者を魅了し続けています。テンポの良いストーリー展開、個性豊かなキャラクター、そして、数々の有名人に関する興味深いエピソードの数々が、本作の魅力となっています。単行本化によって、作品をより多くの人に知ってもらう機会が得られ、その人気はこれからも続くでしょう。

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