人魚姫 mermaid

中山美穂「人魚姫 mermaid」：80年代を彩る一曲

1988年、夏の太陽が燦々と降り注ぐ中、中山美穂の13枚目のシングル「人魚姫 mermaid」がリリースされました。キングレコードから発売されたこの曲は、TBS系ドラマ『若奥さまは腕まくり!』の主題歌として起用され、瞬く間に人気を博しました。

この楽曲は、作詞を康珍化、作曲をCINDY、編曲をROD ANTOONという豪華な布陣で制作されました。軽快なリズムと中山美穂の透き通るような歌声が織りなすメロディーは、夏の暑さを忘れさせる涼しげな魅力に溢れています。

「人魚姫 mermaid」は、音楽番組『ザ・ベストテン』で2度も1位を獲得するという快挙を成し遂げました。これは、ラッツ＆スター「め組のひと」、田原俊彦「抱きしめてTonight」に続く、稀有な記録です。1位獲得時のエピソードとして、当時6歳だった中山美穂の実弟が内緒でスタジオに駆けつけ、祝いの場を盛り上げたものの、大ファンである光GENJIの諸星和己が同じ場所にいたため、緊張から固まって見ているだけだったという微笑ましい逸話も残されています。

シングルジャケットは、著名なアーティスト、ロバート・ブルーによるペインティングが施されています。ビキニ姿の中山美穂が描かれたイラストは、当時大きな話題となり、歌番組などで繰り返し取り上げられました。興味深いことに、同日発売されたアルバム『Mind Game』のジャケット写真も同じデザインで、サイズ違いという仕様でした。ただし、『Mind Game』には「人魚姫 mermaid」は収録されていません。カップリング曲である「In The Morning」は、作詞を川村真澄、作曲を久保田利伸、編曲を杉山卓夫が担当し、アルバムに収録されています。

「人魚姫 mermaid」は、1988年のオリコン年間シングルチャートで9位を獲得し、中山美穂の代表曲として現在も高い人気を誇ります。しかし、近年ではテレビ番組などで映像が取り上げられる機会は少なくなっているのが現状です。それでも、多くのアルバムに収録され続けており、『Makin' Dancin' - Remix Version』、『COLLECTION II』、『DANCE BOX - Remix Version』、『Dramatic Songs』、『Complete SINGLES BOX』、『中山美穂 パーフェクト・ベスト』、『30th Anniversary THE PERFECT SINGLES BOX』、『All Time Best』など、数々の作品で聴くことができます。カップリング曲「In The Morning」も、『Mind Game - Album Version』、『Ballads』、『Blanket Privacy - 再録』、『Complete SINGLES BOX』、『30th Anniversary THE PERFECT SINGLES BOX』といったアルバムに収録され、その人気を改めて感じさせます。

「人魚姫 mermaid」は、80年代のJ-POPシーンを彩った名曲の一つであり、中山美穂のキャリアにおいても重要な位置を占める楽曲と言えるでしょう。その軽快なメロディーと、時代を超えて聴き継がれる魅力は、これからも多くの人々の心を捉え続けることでしょう。

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