仁平馨

仁平 馨

栃木県出身の元プロ野球選手、仁平馨（にへい かおる）は、1971年6月18日に生まれました。主に外野手として、プロの舞台で活躍しました。

アマチュア時代からプロ入りまで

地元宇都宮工業高校に進学した仁平は、高校球界屈指の俊足選手として注目を集めました。1989年には春の選抜高等学校野球大会に出場しましたが、残念ながら1回戦で敗退しています。しかし、その年の打率が4割を超える高率をマークし、さらに高校通算で69個もの盗塁を記録した走力が非常に高く評価されました。これらの実績が認められ、同年のプロ野球ドラフト会議において、広島東洋カープから2位という上位で指名を受け、プロの世界への扉を開きました。

プロ野球選手時代（広島時代）

プロ入り後、仁平は比較的早い段階で一軍の舞台を経験します。ルーキーイヤーである1990年には早くも一軍出場を果たし、プロのレベルを肌で感じました。キャリアの中でも特に多くの出場機会を得たのは1994年で、この年には初めてスタメンとしても起用されるなど、自己最多となる82試合に出場しました。しかし、その後は期待されたほどの成績を残すことができず、レギュラー定着には至りませんでした。出場機会が減少していく中で、1997年のシーズン終了後、新天地を求めて無償トレードにより中日ドラゴンズへ移籍することになります。

プロ野球選手時代（中日時代〜現役引退）

中日ドラゴンズに移籍した仁平でしたが、残念ながらここでも一軍での定位置を掴むことはできませんでした。目立った活躍を見せられないまま、在籍2年目にあたる1999年のオフに球団から戦力外通告を受け、チームを去ることとなりました。プロ野球選手としての道を模索し、その後千葉ロッテマリーンズの入団テストを受けましたが、合格には至らず、惜しまれつつ現役生活にピリオドを打ちました。

選手としての特徴

仁平の最大の武器は、高校時代に69盗塁を記録した卓越した俊足でした。この足を生かした守備や走塁でチームに貢献しました。打撃面では、特に左投手を得意としていたことが記録に残っています。1994年にはプロ初本塁打を阪神タイガースの猪俣隆投手から放ち、さらに翌1995年には、当時中日ドラゴンズのエースだった今中慎二投手や、ヤクルトスワローズの左腕エース石井一久投手からも本塁打を記録するなど、「左キラー」としての片鱗を見せました。

プロ引退後の活動

プロ野球選手としてのキャリアを終えた後、仁平は新たな道を歩み始めます。2022年には清掃会社である株式会社ワイズカンパニーに事務員として勤務した時期がありましたが、短期間で退職しています。一方、野球との関わりは継続しており、2021年3月26日には学生野球資格を回復しました。そして、同年10月16日には、自身の母校である宇都宮工業高校の外部コーチに就任。初めて指導者という立場で、後進の育成に力を注ぐこととなりました。

主な記録と背番号

プロ生活における主な「初」の記録は以下の通りです。

初出場：1990年7月14日 対中日ドラゴンズ戦（広島市民球場）
初盗塁：1991年10月14日 対阪神タイガース戦（阪神甲子園球場）
初安打・初打点：1994年4月14日 対ヤクルトスワローズ戦（広島市民球場）※サヨナラ適時内野安打
初先発出場：1994年5月24日 対中日ドラゴンズ戦（長良川球場）
初本塁打：1994年7月2日 対阪神タイガース戦（富山市民球場アルペンスタジアム）

プロ野球選手時代の背番号は以下の通りです。

広島東洋カープ：55（1990年 - 1993年）、00（1994年 - 1997年）
* 中日ドラゴンズ：59（1998年 - 1999年）

仁平馨は、短いプロキャリアの中で俊足と左腕投手への強さを発揮し、引退後は指導者として野球界に貢献しています。その経験は、これからの野球人生を歩む若者たちにとって貴重な財産となるでしょう。

（参考：NPB.jp 日本野球機構 個人年度別成績、Baseball-Reference (Japan) 他）

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