仁部智

仁部 智

概要

仁部 智（にべ さとし）は、1980年1月10日に秋田県由利本荘市で生まれた日本の元プロ野球選手。左投げ左打ちの投手として、プロでは広島東洋カープに所属した。現役時代は身長166cmとプロ野球選手としては非常に小柄でありながら、大学や社会人野球で実績を重ね、プロへの道を切り拓いた。引退後も地元秋田で社会人クラブチームに所属し、競技生活を続けている。

経歴

アマチュア時代

野球を始めたのは小学校時代だが、中学校までは控え投手と外野手を兼任しており、地元の強豪チームの存在もあり、選手としてはほぼ無名の存在だった。

秋田県立本荘高等学校に進学後、1年時は外野手としてベンチ入り。2年時からエース投手の座を掴み、同世代の石川雅規投手（ヤクルト）や藤田太陽投手（阪神他）、さらには高卒でニューヨーク・メッツと契約した松重栄氏（大曲工業）らと共に秋田県内で注目される存在へと成長した。高校時代には、関西遠征での練習試合で強豪校から転校を打診されるほどの評価を受けたエピソードもある。

大学は東北学院大学に進学。2年次からその才能を開花させ、投手として頭角を現した。特に大学4年時にはめざましい活躍を見せた。春のリーグ戦では宮城教育大学を相手に16奪三振を記録し、最優秀投手に輝いた。秋季リーグでは仙台大学戦で延長13回を一人で投げ抜きながらノーヒットノーランを達成するも、試合は引き分けとなった。最終節では、当時リーグ26連覇中だった東北福祉大学を相手に初戦で完封勝利を収めるなど奮闘したが、惜しくも優勝には手が届かなかった。この活躍が認められ、ベストナインにも選出されている。リーグ戦通算成績は36試合に登板し19勝9敗だった。

大学卒業後は社会人野球のTDKに入社。1年目から都市対抗野球大会に補強選手として参加し先発を務めるなど早くからチームの戦力となった。2003年には、第74回都市対抗野球大会および第30回社会人野球日本選手権大会へのチーム出場に貢献した。

プロ野球時代

社会人での実績が評価され、2003年秋のプロ野球ドラフト会議にて、広島東洋カープから5巡目で指名を受け、プロ入りの夢を叶えた。

広島では貴重な中継ぎ左腕として期待を寄せられたが、残念ながら一軍での目立った活躍は叶わず、プロ入りから4年間で登板機会は限られた。2007年シーズン終了後に球団から戦力外通告を受けた。

年度別投手成績

プロでの登板は記録されていない。

記録

初登板：2004年7月4日、対読売ジャイアンツ18回戦（広島市民球場）、7回表に5番手で救援登板、2回2失点
初奪三振：同上、7回表に二岡智宏から見逃し三振
初ホールド：2005年7月6日、対横浜ベイスターズ6回戦（広島市民球場）、9回表1死に4番手で救援登板、1/3回無失点

背番号

34 （2004年 - 2006年）
63 （2007年）

プロ引退後

プロ野球選手としてのキャリアを終えた後、2008年からは故郷である秋田県に戻り、クラブチームのユーランドクラブに所属して野球を続けた。

現在は、旧ユーランドクラブの中心メンバーによって2009年3月に新たに結成されたクラブチーム、ゴールデンリバースで現役選手としてプレーを続けている。また、秋田精工株式会社に勤務している。

人物

彼の特筆すべき点の一つは、その身長である。2007年シーズン終了時点での166cmという身長は、当時のNPB12球団において最も小柄な投手であった。野手を含めると中日ドラゴンズの鎌田圭司氏が162cmで最小だったが、奇しくも両選手とも2007年オフに所属球団から戦力外通告を受けている。

関連項目

秋田県出身の人物一覧
東北学院大学の人物一覧
広島東洋カープの選手一覧

外部リンク

* 個人年度別成績 仁部智 - NPB.jp 日本野球機構

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