仁鶴・きよしのただいま恋愛中

仁鶴・きよしのただいま恋愛中

『仁鶴・きよしのただいま恋愛中』（にかく・きよしのただいまれんあいちゅう）は、朝日放送が制作し、主にTBS系列局およびNET系列局で1970年1月から1977年9月にかけて放送された視聴者参加型のトーク・恋愛バラエティ番組である。

概要

本番組は、毎回スタジオに招かれた恋愛中の若者たちが、自らの交際に関するエピソードや「のろけ話」を披露する形式で進行した。これに対し、司会を務める出演者たちが軽妙なツッコミや茶化しを入れ、会場や視聴者の笑いを誘った。番組の中心的な司会者は笑福亭仁鶴と西川きよしであった。

放送開始当初は、横山やすしも司会陣に加わっており、『仁鶴・やすきよのただいま恋愛中』というタイトルでスタートしたが、横山やすしの不祥事による降板に伴い、現在の番組名に変更された。

番組後期には、「ハレツコーナー」と称するゲームコーナーが設けられた。これはジグソーパズルを制限時間1分以内に完成させるゲームで、成功すれば時計とダイヤモンドが贈られた。時間内に完成できなかった場合は「ハレツ」としてパズルが飛散し、失格となるという、エンターテインメント性の高い企画であった。

放送形態とネット局の変遷

番組は、その放送期間中に何度か放送時間やネット局の形態を変更している。

当初は朝日放送における関西ローカル番組として、土曜日の23:00から23:30に放送されていた。しかし、1973年4月から1974年9月にかけては、笹岡薬品の一社提供枠としてTBS系列全国ネット番組に昇格し、水曜日の22:30から23:00に放送された。全国ネット時代には、先行番組『前武のおやじバンザイ』から引き継ぐ形で、ラジオ版も制作され、TBSラジオなどで放送された実績を持つ。

全国ネット終了後、1974年10月からは再び関西ローカル番組に戻されたが、放送時間は日曜日の16:30から17:25へと拡大され、55分番組となった。この時期にも、一部の地方局では番組販売の形でネットを継続し、編成に合わせて30分に再編集されたバージョンも存在した。

1975年3月のいわゆる「腸捻転解消」に伴い、それまでTBS系列だった朝日放送がNETテレビ（現在のテレビ朝日）系列に移行したことで、番組はTBS系列局からNET系列局へとネット局が移る動きも見られた。この影響で、関東地区ではNETテレビでの放送が再開されている。

最後の放送形態となったのは、1975年10月から最終回までの期間で、日曜日の23:00から23:30に移動し、放送時間も30分に短縮された。この時期も関西ローカルが基本であったが、NETテレビを含む一部の局では番組販売によるネットが続けられた。

様々なネット形態が存在し、例えば山口県では、本来のTBS系列局であるテレビ山口ではなく、日本テレビ系列の山口放送で放送された時期や、その後にテレビ山口へ移行した時期もあった。

出演者

司会者陣は番組期間中に変遷がある。

笑福亭仁鶴: 初回から最終回まで一貫して司会を務めた。
横山やすし: 番組開始時の司会者の一人だが、1970年末に降板。
西川きよし: 番組開始から1975年3月まで司会を担当。
キャシー中島: 1975年4月から同年9月まで司会を務めた。
月亭八方: 1975年10月から1976年12月まで司会を担当。
コメディNo.1（坂田利夫・前田五郎）: 1977年1月から最終回まで司会を務めた。

また、番組には「占い師」が登場し、出場者の相性などを占うコーナーもあった。主な占い師として、構成作家も兼ねた香川登志緒、小説家の五味康祐、プロの占い師である田中佐和（「お答えいたします」という決め台詞が特徴的であった）、ゲスト出演した美輪明宏らが名を連ねる。

関連番組と影響

朝日放送は本番組の放送開始翌年、1971年には別の時間帯で、本番組の出場者たちが結婚後に参加することを想定した企画として『新婚さんいらっしゃい!』をスタートさせている。これは本番組の成功を受けて企画された側面があり、以降も同局は『プロポーズ大作戦』や『ラブアタック!』といった恋愛・お見合い番組、さらに『おやじバンザイ』や『夫婦善哉』など、様々な世代を対象とした視聴者参加型番組を数多く制作・放送していくことになる。

備考

全国ネット時代のスポンサーであった笹岡薬品は、番組が関西ローカルに戻った後、替わって金曜19:30枠の『霊感ヤマカン第六感』の筆頭スポンサーとなった。

NETテレビ（現テレビ朝日）での放送は、土曜日や日曜日の午後の時間帯であったため、スポーツ中継や特別番組が編成された際には放送が休止されることも度々あった。

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