今尾藩

今尾藩の歴史と概要

今尾藩（いまおはん）は、かつて美濃国安八郡に位置していた藩で、現在の岐阜県海津市平田町今尾の地域に存在していました。藩の中心となる藩庁は今尾陣屋に置かれ、ここから藩政が運営されました。

藩の成立と歴史的背景

今尾藩の歴史は関ヶ原の戦いに遡ります。この戦いで市橋長勝が東軍についたことから、戦後に彼の所領が保障されました。しかし、長勝は慶長15年（1610年）に中村一忠が改易されたことを受けて伯耆矢橋藩へと転封されることとなります。その後、元和5年（1619年）には竹腰正信が今尾陣屋を築いて新たに藩主として入ることになります。

竹腰家は宇多源氏の系譜を持ち、その祖先は佐々木信綱とされています。竹腰家の先代、竹腰道鎮は斎藤道三に仕え、続く世代では徳川家康にも仕官することとなります。正信の母はお亀の方であり、尾張徳川家の創始者である徳川義直とは異父兄弟という関係にありました。

竹腰正信の藩政と功績

竹腰正信は、慶長6年（1601年）に甲斐国内で5000石を与えられ、その後、尾張での領地も増え、合計1万石を所有することになりました。彼は周囲からの信任も厚く、尾張[[藩]]の執政として重要な役割を果たしました。特に名古屋城の築城には功績があり、その際に自らの砲術の腕前を家康に見せて称賛され、さらなる石高の加増を受けました。

このようにして元和5年には3万石の大名として藩を治めましたが、竹腰家は特定の藩の枠組みには組み込まれず、正式な藩とは見なされていませんでした。これは明治元年（1868年）に進展し、ようやく公式に今尾藩として認可を受ける運びとなりました。この際、藩は義直から与えられた石高の一部を返上しました。

明治維新と藩の変遷

明治2年（1869年）6月23日には版籍奉還が実施され、藩としての体制が大きく変化します。これにより、今尾藩は形式的には消滅することとなるものの、竹腰家は歴代藩主としてその名を今に残しています。

歴代藩主

今尾藩の歴代藩主は以下の通りです。

• - 市橋家 (外様, 1万石)

- 市橋長勝

• - 竹腰家 (譜代/御附家老, 1万石 → 2万石 → 3万石 → 2万石)

- 竹腰正信
- 竹腰正晴
- 竹腰友正
- 竹腰正映
- 竹腰正武
- 竹腰勝起
- 竹腰睦群
- 竹腰正定
- 竹腰正富
- 竹腰正舊

幕末の領地

藩の統治下にあった領地は美濃国を中心とし、また尾張国にも及んでいました。具体的には、石津郡の1村、多芸郡の6村、安八郡の5村、武儀郡の3村、加茂郡の5村、そして愛知郡、春日井郡、丹羽郡、中島郡などにそれぞれの村が存在していました。

今尾藩はその存在自体が地方の政治や文化に多大な影響を与え、藩主たちも地域社会の発展に寄与したことが評価されています。

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