今川基氏

今川基氏について

今川基氏（いまがわ もとうじ）は、1259年に生まれ、1323年に没した鎌倉時代の武将です。愛知県西尾市今川町に位置する三河国幡豆郡今川荘の第2代当主であり、今川国氏の嫡子として家業を継ぎました。また、幼名は龍王丸、元服後は太郎と呼ばれていました。

基氏は父である今川国氏より今川荘を受け継ぎましたが、のちに遠江国の引間荘へ移住したとされています。彼の治世は今川氏の歴史において重要な位置を占め、後の駿河国や遠江国での守護大名及び戦国大名への道を開く基礎を築きました。

基氏の歴史的な背景

『寛政重修諸家譜』に記载されている基氏に関する情報は限られており、彼が1323年に63歳で逝去したことや、法号に関する記載のみとされています。しかし、父国氏に関しては、同書とその元となった『今川記』の記述から、彼が弘安年間に安達泰盛の乱（霜月騒動）で戦功を挙げたことが示されています。興味深いことに、この霜月騒動は弘安8年（1285年）の出来事であり、国氏が亡くなった弘安5年（1282年）以降の出来事であるため、国氏の戦功記述は誤解を生んでいると考えられます。

実際、この付随する恩賞は惟康親王から遠江国引間荘として基氏に与えられたと推測されます。このように、今川氏の歴史において基氏の役割は非常に重要であることが理解できます。

今川氏の発展と基氏の子どもたち

基氏の子どもたちの代から、遠江国を拠点にした今川氏一族の活躍がさらに顕著になりました。たとえば、建武2年（1335年）には基氏の長男である頼国が遠州小夜中山の戦いで敵将を討ち取るという名声を得ましたが、この頼国を含む3名の兄弟がその後、武蔵国小手指原や相模川の戦いで戦死することになります。

頼国の嫡男、今川頼貞は後に丹後・但馬・因幡の守護に任命され、五男の範国（今川五郎）もまた駿河・遠江両国の守護職に昇進しました。これにより、今川氏は武力と政治的影響力をさらに強化しました。

基氏の子どもたちの構成

基氏の子どもは通説によれば5人いるとされ、その中でも末子の範国が家業を引き継いだとされています。具体的には、以下のようになります。

• - 長男：頼国（よりくに） - 三郎・式部大輔
• - 次男：範満（のりみつ） - 七郎・刑部少輔
• - 三男：頼周（よりちか） - 三郎か・三位房
• - 四男：法忻（ほうきん） - 四郎・仏満禅師
• - 五男：範国（のりくに） - 五郎・無官

ただし、大塚勲氏は基氏の子供を4人とし、兄弟順を上記とは異なる形で分類しています。

このような背景から、今川基氏の存在は単なる武将の枠を超え、後の世代において今川氏が繁栄するための礎を築いたことが理解されます。彼の影響力は子孫に引き継がれ、戦国時代の重要な役割を果たすことになります。

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