仙台県

仙台県の歴史

仙台県（せんだいけん）は現在の宮城県に位置していた日本の行政区画であり、明治時代に数回にわたって存在しました。1871年に廃藩置県が実施されると、仙台藩の領地に基づき仙台県が設立され、その後の府県統合を経て宮城県として改名されるまでの過程は、地域の歴史において重要な出来事です。

仙台藩の変遷

日本の近代化の影響を受けた明治元年、仙台藩は戊辰戦争における敗北により、領土が62万石から28万石に減じました。確保されたのは、陸奥国の宮城郡、名取郡、黒川郡、加美郡、玉造郡、さらに志田郡のうち43か村のみとなります。このような減封の結果、仙台藩は多くの土地を失いました。没収された所領は、地域の他の藩や新たに設置された県に再編成されました。

やがて、仙台藩の廃止が明治4年7月に実施され、仙台県（第1次）が新たに設立されます。この新体制では、知藩事として伊達氏が任命され、仙台の政治は伊達氏の影響下に置かれました。しかし、同年11月には第1次府県統合が行われ、仙台県（第2次）に改組されることとなります。

行政の移転と改名

仙台県庁は最初、仙台城に設置されました。しかし、設立からわずか6日後、仙台の行政は東北鎮台に移管され、仙台城は兵部省の所管となります。このため、県庁はもともとの仙台藩藩校である養賢堂跡（現・宮城県議会議事堂）へと移転せざるを得なくなりました。

翌年の1872年には、仙台県（第2次）の県令であった塩谷良翰が人々の心を一新する狙いから、県名の改名を要望しました。その結果、宮城県として新たに名称が定められたのです。一般に言われるところでは、仙台の名を改めた背景には「朝敵藩の名称を一掃する目的があった」とされますが、これは俗説であり、そうした理由で名称変更された都道府県は少ないことが確認されています。

宮城県への進化

明治9年にかけて、宮城県はその境界を何度も見直されています。1876年4月には、隣接する磐井県から一部が編入されるなどして、段階的に現在の宮城県の区域が確立していきました。また、同年8月には磐前県が廃止され、その所轄地区も宮城県に復帰し、最終的に現在の宮城県の形となりました。

歴代知事

初代知事である伊達宗敦は、仙台藩の知藩事を務めた人物であり、次に就任した塩谷良翰は、宮城県への改称後もその役職を維持し、地域の発展に貢献しました。

まとめ

仙台県から宮城県への変遷は、日本の近代化の流れとともに生じた重要な出来事です。その過程で、行政区画の再編や知事の交代など多くの変化がありました。これらの歴史を知ることで、仙台や宮城県の現在の姿を理解する手助けとなることでしょう。

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