代替番組

代替番組：放送予定変更の事情と対応策

テレビ番組の放送が、様々な事情により予定通りに放送できない場合、代わりに放送される番組を「代替番組」と呼びます。これは、差し替え番組やつなぎ番組と呼ばれることもあります。スポーツ中継の中止に伴い放送される番組は「雨傘番組」と呼ばれ、代替番組とは区別されます。

代替番組が放送されるケース

代替番組の放送は、稀なケースです。通常は、別の放送回を繰り下げたり、総集編を放送するなどの対応が取られます。雨傘番組や国会中継の代替、報道特別番組を除いて、番組そのものの差し替えは例外的な措置と言えます。

代替番組が必要となる主なケースは以下の通りです。

1. 事件・事故・災害

大規模な災害発生時には、番組内容が災害を想起させる場合、放送延期や中止が決定されることが多くあります。特に、地震や津波などを題材としたフィクション作品は、放送自粛される傾向にあります。被災者への配慮が、その主な理由となります。

2. 出演者・スポンサーの降板・不祥事

番組の出演者やスポンサーに不祥事などが発生した場合、代替番組が放送されることがあります。出演者の問題の場合、該当部分のカットや編集で対応されることも多いですが、事態によっては番組自体が休止となるケースもあります。例えば、大河ドラマで主要俳優の降板により、代替番組が放送された例もあります。

3. 番組内容に問題が見つかった場合

放送後に番組内容に重大な問題（やらせ、捏造、社会問題を引き起こす可能性のある表現など）が発覚した場合、その放送回を差し替え、代替番組を放送することがあります。問題の深刻さによっては、番組の打ち切りが決定され、代替番組はつなぎ番組としての役割を果たすことになります。

4. 著名人の死去

社会に大きな影響を与えた著名人の死去の場合、追悼番組を放送するために、予定されていた番組が代替番組に差し替えられることがあります。故人の出演作品や関連番組が再放送されるケースも多く見られます。

5. 国会中継の中断

NHKの国会中継において、野党の審議拒否などにより会議が中断された場合、「【中継できないとき】」と番組表に表示され、代替番組が放送されます。

6. 放送権の制約

海外向け番組配信や国際放送では、放送権の都合で、特定地域の放送が不可能になることがあります。この場合、地域限定の代替番組が放送される場合があります。

7. 地域事情

番組内容が特定地域で放送できない事情がある場合、その地域のみ番組を差し替える場合があります。スポーツ中継で、全国放送のカードを地元チームのカードに差し替えるケースがその代表例です。

8. 遅れネットの調整

制作局の放送休止により、遅れネットで放送する地域が先行放送した場合、調整のため代替番組が放送されます。

9. 番組撮影の中断・中止

ドラマやバラエティ番組の撮影が、様々な理由（出演者の病気、災害、パンデミックなど）により中断・中止になった場合、放送予定日に間に合わないため、代替番組が放送されます。

10. 出演者の裏被り回避

出演者が複数の番組に出演する際に、地上波の全国ネット番組同士で放送時間が重なることを避けるため、番組の放送延期や代替番組の放送が行われる場合があります。

11. 放送回返上のお詫び

放送枠の都合などで放送が休止された場合、お詫びとして関連番組が代替番組として放送されることがあります。アニメではスピンオフ番組、大河ドラマでは地域情報番組などが放送される例があります。

代替番組の事例

様々な番組で、様々な理由により代替番組が放送されてきました。ここでは、その一部を紹介します。

『お荷物小荷物・カムイ編』：アイヌ民族への配慮から、北海道放送のみ放送中止。
『アップダウンクイズ』：日本航空123便墜落事故によりプロ野球中継に差し替え。
『ポケットモンスター』：ポケモンショックにより『学級王ヤマザキ』などに差し替え。
『ライアーゲーム』：放送地域や事情により、最終回の内容が大きく異なるケースが発生。
『そのとき、みんなテレビを見ていた！』：地デジ完全移行延期により、東北3県で代替番組放送。
『リバース〜警視庁捜査一課チームZ〜』：アルジェリア人質事件を想起させる可能性があるとして差し替え。
『侠飯』：主演俳優逮捕により、遅れネット地域で放送中止。
『判事失格!?弁護士夏目連太郎の逆転捜査』：主演俳優の死去を受け、追悼番組として放送。
『人生最高レストラン』：MCの税務問題により差し替え。
複数のアニメ作品：加害者の趣味を悪用した事件をきっかけに放送中止。

これらの事例は、代替番組放送の様々な側面を示すものです。代替番組の選定は、番組の内容、放送日時、視聴者への影響などを考慮して慎重に行われます。

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